ゆめ か うつつ か
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mの学校が冬休みに入ったので、山へ骨休めに。「あったかいとこに行けばいいのに」と言われたが、寒いのは苦手だけど嫌いなわけじゃない。
運転途中、初めて野生の熊を見た。
最初に見つけたのはmで、夜12時過ぎくらい、道路のすぐ脇にもぞもぞしている陰を(たぬきにしては大きすぎるなあ)と思ってたら熊だったらしい。
わたしもよく見ようとして車をバックさせたら、音にびっくりして立ち上がった。ちらっと見たところ、mの背丈くらいあって、うわーこれ車で出会ってるからいいけど、道端で出会ったらそうとう恐ろしいな、と思った。
居るんだなあ、山には長い間通ってるが熊は初めて見た。冬眠といっても、熊は眠ってるだけでお腹がすくと目が覚めたりするみたいだしね。
到着したら室内がマイナス8度だった。
つい先日、マイナス22度という数字を叩きだし日本一寒い場所になっただけのことはある。
雪はそんなに降っていなかった。30センチくらいかな。
とにかく油断するとすぐ手足が冷え切ってしまうので、服を五枚六枚着込んだり靴下を三枚はいたり、あとはストーブに張り付いていた。ぬくぬくしながら雪見する贅沢。
温泉行く途中にあったりんごのバス停。かわいいなあ。
螺旋状の薔薇庭園を、大きな銃を抱えてくるくる降りていく。
空は目を刺すように眩しく青く、わたしは俯いてひたすらに走る。Down、Down、Down……下へ、ひたすらに、下へ。
鮮やかな紅白の薔薇の花弁が緑の葉に降り注ぐなか、枯葉色のスカートを履いた女の死体がいばらに埋もれているのが見える。
金色の靴を爪先に引っ掛かけた脚だけが投げ出されている横を、這うように駆け抜けた。鮮やかな緑金色のスカーフが所在なげにひらひらと舞っている。
この庭は死骸だらけだな、と私は思う。
底までたどり着いたら、とにかく休みたい。重い銃を投げ棄て、あの死体のように体を横たえ、目を閉じて。
ねむりたい。
空は目を刺すように眩しく青く、わたしは俯いてひたすらに走る。Down、Down、Down……下へ、ひたすらに、下へ。
鮮やかな紅白の薔薇の花弁が緑の葉に降り注ぐなか、枯葉色のスカートを履いた女の死体がいばらに埋もれているのが見える。
金色の靴を爪先に引っ掛かけた脚だけが投げ出されている横を、這うように駆け抜けた。鮮やかな緑金色のスカーフが所在なげにひらひらと舞っている。
この庭は死骸だらけだな、と私は思う。
底までたどり着いたら、とにかく休みたい。重い銃を投げ棄て、あの死体のように体を横たえ、目を閉じて。
ねむりたい。