避難訓練避難

「明日は避難訓練があるのでみんなで一緒に逃げよう」と言われ、おお訓練なのにやる気だなあ、と感心したら、避難訓練「から」逃げるという意味だったらしい。まあこの忙しいのに余計なことに参加してられないという気持ちはわかる。と、みんなで避難訓練から避難してご飯を食べに行った。

本当に今月は、人が足りない＆祖母が逝去したこともあって、後半は目が回るほど忙しかった。。実際ここ数日は立ちくらみがしていた。でも終わったからな、よかったよかった。とりあえず帰ったら寝る。六時間以上寝る。いや、十時間以上寝てやる！！

エビバリズム。

ペットのどじょうにDjと名付けているひとの話を聞いて、洒落のきいた人も居るものだと思った。だいたいどじょうを飼おうという発想からして非凡だ。

と、感心していたら、mから「伊勢海老要る？」と声をかけられた。まだピッチピチの、刺身でもイケる、ナマ海老のお裾分け、とのこと。

ちょうど柴田宵曲の『俳諧博物誌』龍の章で、伊勢海老の姿かたちを龍に見立てた話を読んだばかりで、二つ返事で「要る！」と答えたのち、先のDjのことを思い出し、「もし飼うなら海老原さんとかかなあ、名前」と漠然と考えていたら、

「（海老なんだから）もちろんABでしょ」

というこれまた類い稀な意見をいただく。海老だけにね！ くだらねえが最高だね！！

で 仕事があまりに忙しく一両日ほどあけてから、ABについて改めてmに聞いてみたら

「あ、冷凍しといた！」


…………ABィィー！！


＊


そういや昔、かなり追い詰められてた時期に、味噌汁に入れるはずのアサリの一匹を酔狂で飼っていたが、結局飼いきれず荼毘に付（すという名の生ゴミ出しを）した。

でも伊勢海老ならそんなことしないよ！ 伊勢海老なら……屍肉でもいい、食べるよ！！

形見分けのつもりで。

仕事で深夜帰宅が続き喪服を調達する暇もなかったら、母が故人の使っていた喪服を出してきてくれた。今はやりのボウタイワンピース、着てみたらやや短め丈だがそれがまた当世ふうにぴったりで、まるで祖母がわたしに「これを着なさい」と言ってくれたように思えた。泣けた。

思えばわたしの服のこのみは祖母に似ている。レトロモダン、地味めの色調、柄もの……。モガみたいなの好きだなあ、大正ロマン！

この喪服、デザインがフェミニンなためか、姪っ子（３）にも「女の子みたーい！」と誉められた。多分誉められている。

ちなみに姪っ子は罵倒の言葉も「かわいくない！」で、なんていうか、齢三歳にして既に女の子以外のナニモノでもないのがすごい。。

せめて故人の冥福を祈る

先の週末、祖母の葬儀がしめやかに執り行なわれた。

しかし、葬儀が滞りなく終わった瞬間から、親類縁者のいざこざが始まってしまった。安いハリウッド映画ばりに伏線が張られ、いくつものひっかけやどんでん返し、意外な人物の登場……息もつかせぬ展開に、唖然呆然。

いろいろショックです。

わたしは純粋に祖母を悼みたいだけだったのになあ……ちなみにわたしはいい年こいて孫代表の挨拶で大泣きしてしまった。さすがに自省していたら、弟に「いやあ、よくあんだけ葬式を盛り上げてくれたよ！ みんな貰い泣きしてて、これぞ葬式！って感じでグッジョブだった。いち葬式にひとりは欲しいって感じ」と言われた。いざ金に困ったら泣き女でもやろうか。


しかしわたしの知る限り、葬式後に何だかんだ、揉めなかったためしが無いね。なんだろう、親類だからこそ、血が繋がってるからこそ、愛憎も深いんだろうか。

世の中にあるいろんな愛

立川で、隣席にごく普通の可愛いワンピース女子が座った。

女の子の前には染髪皮パンにスタッズ、チェーンだらけのごついパンクスタイルの若者が立ち、わたしはパンク＝反社会、逸脱志向という発想から、青年が自分の前に立たなくて何となくほっとした。

ワンピース女子は二十分ほど無言でうつむいたままだったが、三鷹に着いた辺りでいきなり前に立つパンク青年の膝辺りを抱えこむように倒れた、ように見えた。

気分でも悪いのかと驚いたが、なんのことはなく、パンク青年の服についていたごみを丹念に取り除いている。青年も不服を唱えるでもなくされるがままで、その空気感、

え！？ ナニ？ アナタたちもしかして、カップル！！？

と新しい驚き。

しかしまた、どういう接点でお付き合いを？　馴れ初めなど仔細に尋ねたくなった。女の子が見かけによらずパンクロック好きとか。幼なじみで彼氏が急にパンクにハマったとか。いろいろあろうな。うん。

似たような事例で、女の子がフリフリ甘ロリータ、男の子はごくありふれた学生風カップルという逆パターンも見たことがある、あれは正確にいえば女子のインパクトが強すぎて男子の印象が全く無いんだな。なんつうかロリータって存在が非日常的、居るだけで亜空間を形成してるつうか。

しかし洋服の趣味が全く合わないのに付き合ってるって、それはもうすごい愛だよね。