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ゆめ か うつつ か
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……の知らせを受け、嫌な予感がして眠れぬまま朝いちばんに病院へ駆けつけると、祖母は元気に介護士と喧嘩しているのであった。

「おばあちゃん、病院のひとの言うこと、聞かなきゃあ」と言うと、いたずらを見つかったこどもみたいな表情で言い訳をする。「だって、愛が無いんだもの」。

愛か。愛ねえ。そいつは難しいよばあちゃん。あたしばあちゃんのこと大好きだし尊敬してるけど、病院の人は基本お金、つまり賃金で動いている。でもそれだって、まやかしだって、愛は愛なんだよ。すべて愛は元々まやかしで、自分で積み上げ育てていくものだが、しかしそのためにはまず自分が愛さないといけない。

つまり祖母は今、他人を愛せぬくらい、ただひたすらに寂しいんだな。

と思い、「わたしはおばあちゃんが大好きだから、またゆっくり会いたいから、だから病院の言うこと聞いてね」と言い改めた。それで仕事に行かねばならない時間になり、慌てて病院を出た。祖母は「また来てねえ」と手を振っていた。

それが最後になったので、やはり行ってよかった。大好きだと伝えられてよかった。


おばあちゃん大好きだ!!


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橋姫
流され王
物言ふ魚
隠れ里・・・・・・・・

魅力的すぎる小題につられた。いいなあ民俗学は。







もうあまりにも、今の東京には、「土地の神」が居なくなってしまった。そもそも田んぼも畑も無いからね。川は蓋をかぶせられてひっそりと地下をめぐり、山は削られ、海は埋められ。ときおり三叉路なんかに立ててある旧びた石や像をみるたびに、コンクリートで覆われて息も絶え絶えの神さまたちのことを思う。

わたし「Aちゃんって蟹座なんだよ」
Aちゃん「えー? あのかに?」
わたし「そう、ちょきちょきするあの蟹」
Aちゃん「どうやってえ?」

どうやって・・・・・なんだろうか???

うむ、深い。





女の子だけあってわりとおしゃべりで、おとなの話にいきなり混ざってきたりもする。このくらいになると個性がはっきりしてきて面白いな。好きな色はピンクと赤、口癖は「おんなのこだもーん」。そうだね、おんなのこだねえ。そのまままっすぐ女の子街道を驀進してくれよ。











 
女子高生A「あ、そういえば、ナツカワ先生やっぱり行方不明だって!」
女子高生B「へぇー、やっぱりそうなんだ~」

いやいやいや何その世間話みたいなノリ。ナツカワ先生に何があった。



或いはショッピングモールで仲良く腕を組んだカップルの男がおもむろに「俺最近さ、だんだんお前のことうざくなってきた」。

爆弾すぎる。


家庭内のちょっとした理不尽なゆきちがいにむしゃくしゃしたので、とにかく歩いてやれと思って九段下から新宿まで歩いてみたら二時間かからないくらいで着いた。意外と近いな。街が賑やかだから飽きなくてするする歩けるのかも。いろいろマンウォッチングしながら、ときには一方的にターゲットを決めて尾行のまねごとなどしつつ、実に充実した無駄な時間を過ごせた。しかも健康的に。もう少しで二万歩だったな、惜しい。

他人の跡をつけるというのは、その他人の思考をトレースできて大変面白い。あちこちふらふらさまよっているかのように見えた学生がとある中華料理屋に吸い込まれていくとき、ああ彼は実は理想の飯を食うべく飯屋を探していたのだ、と悟るとか。

 曙橋で見かけた、ご本尊的落書き。煩悩とは無縁な感じでうらやましい。













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