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ゆめ か うつつ か
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弟「俺最近『和して同ぜず』って言葉気に入ってて、座右の銘にしようと思ってるんだけど、君はそういうのあるかい?」

わたし「何が??」

弟「そういう……自分がいいと思った言葉、格言とかことわざみたいな」

わたし「うーん、そういうのは特に無いなぁ。ライフスタイル的な言葉で感銘を受けたのは『高等遊民』だけどね」

弟「何それ」

わたし「明治の頃、大家族制の比較的裕福な家で、特に就職せず働かず結婚せず、たまに子供と遊んだり家の手伝いしたり、そうしてのらくら自分の好きな本を読んだり書いたり旅に出たり、でも家族からは『そういう子だから』って温かい目で見られてゆとりある日々を過ごした人のこと」

弟「ふ~ん そう…………勝った!」

勝ったの!?

弟「いや 俺これからいろんな人と座右の銘勝負しようと思っててさ。まず一勝!」

……『和して同ぜず』も文脈次第ではそんな良い言葉じゃねーぞ。。

って言うか!

座右の銘ってのは競うものではなく自分の心に秘めておくもので、あえて他人にアピールするとしたら、その言葉が自分の深部に届いた理由とかでないかなと思った。


高等遊民いいじゃない。ゆとりある生き方、したいじゃない。。 ←わたしの言い分





「海外に出たとき、安易に現地化するのではなく、日本人のアイデンティティをたもちつつ現地にとけこみたい」
←弟の言い分

なるほど。でもやっぱり、取りようによっては融通のきかない言葉だと思う。コンテクストによって左右されるっていうか。『和して同ぜず』、もとは孔子のことばだってね、だからかな、わたし 孔子はあまり好きではない。あまりにも正論すぎるんだもの。だって人間ってもっと醜いしもっと大雑把でいいかげんでしょ?


…・・なるほど、性格が出るね、座右の銘ごっこって。

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