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ゆめ か うつつ か
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その昔、韓国を周遊しているときになにげなく見かけた地下鉄の看板に、「月背」という名があった。
「月に背く」。なんと壮絶で美しい名前だろう。いったいどのような物語があって、そのような美しい名をつけられたのだろうか、と思わず、夢想した。

後年、やはり台湾で知り合った韓国人青年にこの話をしたところ、「ロマンチストだねえ」と言われた。まあ、かりにこれが「太陽に背く」だったらそこまで惹かれなかったかもしれない。女はどうしても「月」に親しむ。

それはさておき、月島、大月、月寒、月形・・・・・・「月」という文字が入ると、無性にその地が美しく思えるのは、わたしだけではないんじゃないかな。

16号線を福生方面から走り、埼玉に入ってすぐのところに「脛折」(すねおり)という地名がある。あわや骨折しかねない難所、というわけでもなく、いたって平坦な道をまっすぐ行くとややあって、「脛折月待戸」という名の地になる。

つまりその地は、旅人が「脛を折り」、その地に腰掛けて「月を待」った場所なのだろう。現代の、トラックがゆきかう喧騒のコンクリート・ロードで、かつて、はかなく頼りない月の光に頼って家路を急ぐ旅人が月の出を待って草地に腰かけていたと思うと、何だかとてもわびしくゆかしい。












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