ゆめ か うつつ か
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Gが年末大掃除でここ数年貸しっぱなしにしてあった本類を紙袋いっぱいに返してくれやがったのだけど、その中にシェンキェヴィッチの『クォ ヴァディス』があったので久々に読み返してみたら面白すぎて夜中まで読みふけってしまった。
そんで次の日満員電車の中で物語がクライマックスを迎えて、人目もはばからずぽろぽろ泣いてしまった。
これ 「世界の名著百選」とかでよくとりあげられてるけど、そういうのに載せられてるあらすじはタイトル(クォヴァディス=主よどちらへ行かれるのですか・の意)を意識してか大抵燃え上がるローマから逃げるペテロとクリストのシーンで、荘厳かもしれないけど辛気臭いんだよね。もっと恋愛劇だしもっと活劇冒険譚なんだよ!
物語は我侭な青年貴族ヴィニキウスがキリスト教徒の娘リギアに会って改心するという恋愛話を主軸に、ヴィニキウスの叔父ペトロニウスさまとその女奴隷にして恋人のエウニケ、皇帝ネロの残虐ぶり、ローマの混乱ぶりなどが描かれてて実はキリスト教徒の描写よりそっちのほうがはるかに精彩だし面白いしドラマ性がある、大河ドラマの風格っつうのかな……
あたしが泣いたのは卑劣で最低な裏切り者、ギリシャ人キロンが改心するシーンで……
キロンは物語の所謂悪役、キリスト教徒の男の財産や妻や子を奪い追放しあまつさえ密告して処刑させる最悪の人間なんだけど、自分が破滅に追いやった男の死をまともに見つめることも出来ず、死にゆくその男に赦しを願うんだ。するとその男はキリストの名に於いてキロンを赦すわけ。
それでキロンは改悛してネロを告発し、キリスト教徒として処刑されるんだけど、それまで卑しく哀れだった男が実に晴れ晴れと立派に死んでいくの。
「醜い行いはあるが醜い人間は居ない」、って 何だかすごく、うなずきたかった。あたしもそう思っている、どんな人間でもうつくしい、醜い行いをしてもなおそれを悔いることのできる人間はうつくしい。
*
ちなみに『クォヴァディス』のペトロニウスさまはここ十年くらい、わたしの理想の男性です。
趣味の審判者、無神論者、冷徹な理性に貫かれたひとにして美を愛する詩人、何でもできるひと、笑いながら自殺してなお友人と語り合いながら死んでいった美しいじじい。
……個人的なイメージはイアン・マッケラン。
そんで次の日満員電車の中で物語がクライマックスを迎えて、人目もはばからずぽろぽろ泣いてしまった。
これ 「世界の名著百選」とかでよくとりあげられてるけど、そういうのに載せられてるあらすじはタイトル(クォヴァディス=主よどちらへ行かれるのですか・の意)を意識してか大抵燃え上がるローマから逃げるペテロとクリストのシーンで、荘厳かもしれないけど辛気臭いんだよね。もっと恋愛劇だしもっと活劇冒険譚なんだよ!
物語は我侭な青年貴族ヴィニキウスがキリスト教徒の娘リギアに会って改心するという恋愛話を主軸に、ヴィニキウスの叔父ペトロニウスさまとその女奴隷にして恋人のエウニケ、皇帝ネロの残虐ぶり、ローマの混乱ぶりなどが描かれてて実はキリスト教徒の描写よりそっちのほうがはるかに精彩だし面白いしドラマ性がある、大河ドラマの風格っつうのかな……
あたしが泣いたのは卑劣で最低な裏切り者、ギリシャ人キロンが改心するシーンで……
キロンは物語の所謂悪役、キリスト教徒の男の財産や妻や子を奪い追放しあまつさえ密告して処刑させる最悪の人間なんだけど、自分が破滅に追いやった男の死をまともに見つめることも出来ず、死にゆくその男に赦しを願うんだ。するとその男はキリストの名に於いてキロンを赦すわけ。
それでキロンは改悛してネロを告発し、キリスト教徒として処刑されるんだけど、それまで卑しく哀れだった男が実に晴れ晴れと立派に死んでいくの。
「醜い行いはあるが醜い人間は居ない」、って 何だかすごく、うなずきたかった。あたしもそう思っている、どんな人間でもうつくしい、醜い行いをしてもなおそれを悔いることのできる人間はうつくしい。
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ちなみに『クォヴァディス』のペトロニウスさまはここ十年くらい、わたしの理想の男性です。
趣味の審判者、無神論者、冷徹な理性に貫かれたひとにして美を愛する詩人、何でもできるひと、笑いながら自殺してなお友人と語り合いながら死んでいった美しいじじい。
……個人的なイメージはイアン・マッケラン。
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