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ゆめ か うつつ か
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日々の仕事の合間にも夏を堪能してみようと、同僚のKちゃんと共に「氷」と書かれた暖簾の翻るお茶屋さんへ。

Kちゃんは宇治抹茶、わたしはいちごみるく。よく屋台や海の家にあるような山盛りの、鉋で削ったような薄い氷でなく、まあるく平たい盛りの、ぶっかいたように粒の荒い氷だった。氷をかりかり噛み砕く音も涼しげなそれをしばらく無言でかっこんでいると、口から次第に脳味噌まで、痺れるくらいつめたくなった。





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わたしもmも一応東京の端くれに住んでいるのだが、何故か群馬土産に東京銘菓をもらった。指人形が可愛かったから、とのこと。

なるほど可愛い。

と言うか、東京に居るとなかなか東京銘菓なんて食べる機会が無いから逆に珍しい。そしてわざわざ銘打つまでもなく、美味しいものが氾濫する世の中になったなあとしみじみ。

 ぱんつ丸見えクオリティ。

 タマ。正直、ちょっと顔が怖い・・・・。なかみはクリーム。
 赤ん坊サイズおにぎり。Aちゃん用。



妹ができ、母親に以前よりかまってもらえなくなったためか、最近Aちゃんのご機嫌は一貫して低気圧のようである。いちど荒れ狂うとどうにも手がつけられないのだ。とりわけわたしは、Aちゃんにあまり「オトナ」として認識されていないようで、すぐに攻撃される。幼児といっても体当たりでこられるとけっこう痛いしつらい、反撃もできないし。

理性とか自制ってまだ無いんだろうなあ、いつから培われてくるのかしら。まあ、よのなかには泣いてもわめいても暴れてもどうしようもないことがあるということ、これから少しずつ知っていけばいい。

草地にひっそりとうずもれた比較的新しい給湯器やら、フェンスにひっかけられた真珠の数珠(一見パールネックレスのようだがどうみても数珠)やら、最近は帰宅途中におかしなものばかり見ている。



いうような話をしたら、mが旅先の駐車場で見かけた面白い看板の話をしてくれた。

「停車中は、ニンジンを切ってください」。

・・・・・・アイドリングストップをうながすつもりが、さながらお料理教室開催中、みたいな看板に!



 花火。このまえ山に行ったとき、線香花火と一緒にばら売りされてたやつ。相当数買ったような気がしてたけど、夢中になって遊んでたらあっというまに終わってしまった。夏の花火、冬の焚き火・・・・・・火ってやっぱり見入ってしまうなあ。

昔、旅先で一緒に花火をしたロシア人のおじさんが、落ちかけた線香花火の火の球をとっさに手で掴んで、盛大に火傷していた。線香花火をするといつも、そのおじさんのことを思い出す。わが身の危険も省みず線香花火のうつくしさを守ろうとした、コドモのように無謀で純粋な、こころのやさしいおじさんだった。

帰宅途中、例のごとく中央線が止まってしまい、いらだたしい気持ちで乗り換えの電車を待っていると、やってきたのが懐かしい「オレンジ電車」だった。

 201系。まだ運行してたんだ!

2~3年くらい前より中央線からオレンジ色の箱型電車が消えて、代わりに銀色の軽快な車両が、まるで鱗をひるがえしておよぐハヤみたく、いちもくさんに都心目指してかっとんでいくようになった。それからほとんど見かけてないので、てっきりもう廃止になったとばかり思っていた。

電車に乗るって「おとな」だなあとちいさいころは思っていて、だから初めて乗った電車、ずっと乗っていた電車にまた再会できたのがちょっと嬉しかった。たとえ乗車率120パーセントでも。。





親父のちいさいころは、中央線は「チョコレート色」だったらしい。今でこそルミネやそごうや高島屋ほか、大きなビルがばんばん立ち並び、いっぱしの商業都市でございという雰囲気の立川も、そのころは駅前に一軒大きな魚屋があるきりだったという。親父は祖母に連れられて、立川にラーメンを食べに来るのが楽しみだった、と、目を細めて話していた。

たぶん こないだ生まれたばかりのAちゃんたちにとっては、中央線は「銀色」なのだろう。





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