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ゆめ か うつつ か
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その①

 さる14日はmのお誕生日だったので、ちょうお祝いしてやろうと思い、勢いあまって本人の目の前でお誕生日メールを送ったりした。

m「目の前に居るのに!?」

まあ気持ちの問題だ、受け取ってくれや!





その②

Gが「誕生日プレゼント」と言って紙袋をくれた。

わたしの誕生日は11月だが、いわく、20年来のつきあいではいいかげんプレゼントのネタも尽きているし、誕生日時期にプレゼントを探してもなかなか探しあぐねてしまうので、年中買い物のたびに目ぼしいものを探す癖がついているそうだ。

G「そしたらうっかり夏用のタオル地ノースリーブ寝間着を買っちゃってさ。
  コレを11月に渡すのもどうなの って気分になったから今渡す」

え ええー!フライングにもほどがあるよ!!

何にせよわたしごときのプレゼントのために年中気を遣わせて申し訳ない気持ちにかられた。
G、ありがとね。着心地最高だぜ!







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天気予報を見ていたら、「低温注意報」なるものが発令されていた。

長らく天気予報を見ているつもりだが、そんな注意報は初めて聞く。

低温動物(蛇とか蛙とか)が目覚める季節ですよ気をつけて、ということか(沖縄にはハブ注意報というのがあるらしいので咄嗟の連想)、はたまた低温火傷するくらいには熱くなりますよということか、それとも低体温の人(女性とか)は冷えに注意、ということか……。

わたしの中で「低温」に関わる単語を総動員し、小学生の頃思い悩んだ「ハロー注意報」(波浪なんて読めねーよ!)に匹敵するほどありとあらゆる可能性を追及してみたが、そんなに追及するまでもなく、単に「寒いよ!」ということらしい、と気付いた。

じゃあ暑いときは高温注意報なのかといえばそんなこともないわけで……。

気象庁はそれなりに頑張って名付けているのであろうが、低温ってなんとなく違和感がある。わたしだけ?



帰宅途中、新宿を通りかかるころに所要で弟に電話をかけたら

「おっ ちょうどいいね、今日●●さんが新宿でお笑いライブするんで、観に行くところ。当然来るよね??」

と 言われてしまった。「●●さん」は主婦業の傍らお笑い修行している駆け出し芸人で、以前からライブに来いと言われ続けていたのを体よく断っていたのだが……、まさに飛んで火に入る夏の虫。

わたしはかつて不幸にも●●さんのネタを目撃してしまい感想を求められたことがあるのだが、そのときは彼女独特の天然ボケが暴走してしまった前フリもヤマもオチも無いような勢いだけのシロモノで、感想はおろか正視するのも耐え難い思いをした。

……結果、今回も、ほとんど正視できなかった。

後に「どうだった?」と明るく話しかけられ、「いやあ、笑ったわらった(苦笑いだけど)」と答えておいた。



わたし自身はいわゆる「お笑い好き」ではないが、笑うことは大好きだし、他人を笑わせるのも好きだ。ゆえに、他人の笑いには点が辛くなってしまうのかもしれない。

柳田國男は「笑の文学の起源』で日本人は怒っても憎んでも笑う、「よく笑う民族である」と言っていて、それはちょっと意外に感じたけど、一貫してゆるぎない漫才・お笑いブームを考えたら納得できる。日本人にだってエスプリ(機知)もあればユーモア(諧謔)もあるんじゃい!

一休さん とかな!

 

 

「庄内からからせんべい」というらしい。風車よろしく畳まれたおせんべいを割ると、中から薄紙に包まれた玩具が出てくる。おみくじを引くような楽しさに、ひとつ買い求めた。

 かわいらしい紙根付がでてきた。

おせんべは、甘いからめるの味がした。

 こちらは大人向け。

羽黒山で買って来た法螺貝を模したお猪口に、月山の酒を注いでいただく。山伏の味(嘘)。



連休最後の晴天、母の頼みで93になる祖母を連れて墓参りに行ってきた。

祖母は二年ほど前に「独りが気楽だから」と老人ホームに入ってしまい、以来一切外出したがらない。今回もしきりに外出を拒んでいたが、いざ連れ出してみると、とても楽しんでいたようなのでほっとした。

赤十字の看護婦として従軍経験もある祖母は、若い頃何事もテキパキとそつのないしっかり者だったらしい。戦後生まれのアプレ育ちである母は、「おばあちゃんは真面目すぎてとっつきにくいところがある」と言う。本当は外出したいのに、したくないというのは遠慮しているからだと言うのだ。

わたしはふと、祖母はそこまで長生きしたいわけでもないのかな、と漠然と思った。

まだ十分達者なのに、老人ホームの一室に引きこもって生きる心理。

わたしは93まで生きたことはないので、その年齢を生きることがどれほど過酷なものかわからない。その点でも祖母を尊敬している。

……わたしが幼い頃、祖母は別居していたし、成人してからの方が祖母との関わりが多くなった。だからわたしの祖母に対する感情は「敬慕(うやまいしたう)」よりも「敬労(うやまいいたわる)」方が近いかもしれない、と自己分析。


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