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こないだGとお茶した際に、「友達の結婚式に着ていく洋服がない」(和服ならあったようだが)とシンデレラのようなことを嘆いていたので、わたしの貧しいクローゼットのなかから似合いそうなやつをどんどん出してやった。ちょっと、魔法使い気分。
Gは華美を好まない性格をしているので、めったにスカートもはかない。なのでこの際めいっぱい着せ替えしてやったのだが、結局はおとなしめの黒のビジュー付きレースドレスにおちついていた。うん、まあ、やつらしい。
一重まぶたでクールな顔立ちだし、いろいろ盛りつけたらかっこよいのになー、と思った。
今度また遊ばせてね!(←失礼)
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こないだなにげなく、Gとの付き合いが記念すべき20周年に及ぶことに思い至って、けっこううろたえた。
20年って!すごいよ!!赤子も成人するよ!!!
Gとの出会いは、小学●年生の二学期。
クラスの人数が半端なため、わたしが運良くいちばん後ろでひとりきりの席を得たとたんに、Gが転校してきて(ちっ!邪魔者め!!)と思ったのをよく覚えている。ごめんね~~!
それからまあ、鎌倉まで一緒に自転車で行って迷子になったり、Gがベルギーに旅立ったり、わたしが中国に旅立ったり、いろいろあって今に至る。
うーん、、、ありがたい(のひとことにつきる)。
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朝 起きたら、雪がはげしく降り積もっていて、なんだか歌いたくなったのだった。
こういうふうに雪があとからあとからふりつもる日は、小泉八雲の「布団」という話を思い出す。幼い兄弟が両親をなくし、極寒の雪の日に最後に残った布団まで質屋に持っていかれた。その布団で寝ると、兄弟の会話が聞こえてくるのだ。
おまえさむかろ
あにさんさむかろ
そうして凍え死んだ兄弟の話と、三好達治の詩(太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ 次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ)が、オーバーラップするのはわたしだけだろうか。
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雨は多彩な音がするけれど、雪は無音なの。
どちらも好きだけど、ほんらい騒がしい街を黙らせる雪は、より好ましい。
どんよりくもりぞらだったけど、かねてから一度は行ってみようと申し合わせていた御殿場のアウトレットに、ドライブがてらお買いもの。
途中、鮎沢のPAで、mが「ヤバい!」と興奮しだしたので、何かと思ったら
鮎沢オリジナルアメリカンドックのキャラクター、アメリカンドッくん の PV。
アメリカンドックにPVがあることにも驚いたが、その歌が呪いのように強烈で、まいった。
中のソーセージが2センチ7ミリと大きめなのがウリらしく、その旨が歌にも盛り込まれているのだが……、いちどしか聞いてないのに鮮明に単位まで覚えている、このキャッチーな魅力。
買ってしまったよ。いや、アメリカンドックはもともと好きなほうなので。。
ケチャップやマスタードは自分で好きなだけかけるようになっているが、このつぶらな瞳にケチャップをかけるにしのびず、最小限だけかけていただいた。
なによりも、お店のオバちゃんがケースを開けてくれた瞬間、たくさんのドッくんの声(と思しき甲高い音声)で「ありがとうございま~~す!」と唱和され、特設ケースまで用意するその念の入り用に感動すら覚えた。
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で アウトレットの感想。
とにかく寒い。寒すぎた。もう商品見るためでなく暖をとるために店に入っていた。
構成はハイブランド中心の大人向けで、生活雑貨系(ティファール等電化からコペンハーゲン等食器)や玩具系(バンダイがあってびびった)も充実してるから、しっかり狙いを絞り込んで買い物に来るとよいんじゃないかしら。
聖アントニウスの誘惑の画につられて、ブリューゲルの版画集を買った。いいかんじにきもちわるい。
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『氷川瓏集~睡蓮夫人~』 日下三蔵編
編者が推すとおり、2ページほどの「乳母車」がいちばん気に入ったかな。月下に婦人が乳母車を押す、そのなかには人形が。こういうのこわいよね。探偵趣味というよりは、怪奇趣味。
『異端教祖株式会社』 G・アポリネール 童話みたい、詩的断片。
『青空』 バタイユ このひとの作品はよく土に欲情している。
『青い鷺』 小栗虫太郎
ブルー・ヘロン。ヒロインとヒーローの図式が転倒する冒頭と終結部分、衒学的な文章が見もの。「二十世紀仮面」の法水麟太郎は、モテモテすぎて怖い。ライバルのオッサンにまで告白されるって、どうなの。。
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漫画はやっぱりmのを借りてばっか。ゆるい広島弁がよい、と薦められた『とろける鉄工所』はよかったよ。あと、最近おおひなたごうのシュールなギャグが素直に面白いと思えるようになってきてしまい、こう……自分の感性の成長?に複雑な思いを抱いた。最初読んだときよくわからなかったんだよこの笑い。。
百穴の土産物屋の主人の強いススメにより、吉見観音へ参る。ここは昨今願いが叶う寺としてつとに名高いらしく、ことこまかく参拝の作法を教えてくれた。好天気の日に参拝すると良いらしく、まさに今日はうってつけ!だという。願いが叶う云々はともかく、伝左甚五郎作の虎の欄間とやらには興味がある。
駐車場から見える石段と杉の木の風情は、名跡古刹にふさわしい情緒があっていいかんじ。境内も落ち着いていたが、溢れかえる絵馬の数に、願いを叶えたい人々でにぎわう休日の盛況ぶりが伺える。わたしはといえば、現在も十分幸福、絶対に叶えたい願いのあるわけでもなし、普通に家内安全などお参りして左甚五郎の虎を拝んできた。甚五郎の虎は……薄暗くてよくわからなかった。。
門前の茶屋がまたいい風情。
目に入る草花木々に春の花、茶屋の前の梅は満開、畑の菜の花の黄色は目にも鮮やかで。厄除け団子なるものを賞味して、色あせた緋毛氈でお茶をいただく。
う~~ん のどか……
そこから少し車を走らせて、市民の憩いの湖らしい 八丁湖というものは通り過ぎ、その北側のポンポン山へ。他意はなし、名前のインパクトで訪問決定。
神社自体が岩山の上に建っていて、その境内の裏の土を踏みしめるとポンポンという音が鳴るという。
ここがその境内の裏。
岩がそそり立ち、木の根が地上に這い出ている。なるほど空洞な岩屋を踏みしめるゆえに音が出るのね、と思いつつ、本当にポンポン音がするのかどうか、力強く地面を踏みしめながらゆくと、たしかに音が変わる地点がある。ぽんぽんという軽い音ではなく、ぼんぼんと重い音だったが。面白いので疲れるまでしばらくぴょんぴょん跳ね回る。
暖かい日だということもあって汗をかいたのでひとっぷろ、と、市内でみかけた看板に沿ってたどりついたお湯へ。
ここ、あたり!
お湯の種類も豊富だし、なにより源泉がよい!ぬる湯でいつまでも入っていられる。
炭酸風呂もよかったな。サイダーに浸かったみたい、全身に炭酸の気泡がつくさまは圧巻。湯の中にちらちらと浮かぶ泡が光に溶けてぱちんと爆ぜるさまは、何かアートな情景だった。
そして先に陣取っていらした三人の老嬢の世間話がすごかった。そもそも平日の陽も高いうちからお湯に来るなんて、ご隠居の特権ではあるのだろうが。
老嬢A「そういえば、○○さん引越しなすったのよ」
老嬢C「ええ?そうなの??」
老嬢B「まあ、どちらへ?」
~20分ほど経過~
老嬢C 「そういえば、○○さん引越しなすったのよ」
老嬢A「ええ?そうなの??」
老嬢B「まあ、どちらへ?」
えええええ!?
何そのデジャヴな会話、と突っ込むわけにもゆかず。面白かった……。
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ひとりで遠出するのは久々で、だから、少し寂しかった。
でもこうしてひとりにならないとわからないこともあるなあ、と思った。ひとりになって ひとりでないことを確かめる、そういう、こどもみたいなことをこの年にもなってまだやっている。ばかだなあと思う。