[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
百穴の土産物屋の主人の強いススメにより、吉見観音へ参る。ここは昨今願いが叶う寺としてつとに名高いらしく、ことこまかく参拝の作法を教えてくれた。好天気の日に参拝すると良いらしく、まさに今日はうってつけ!だという。願いが叶う云々はともかく、伝左甚五郎作の虎の欄間とやらには興味がある。
駐車場から見える石段と杉の木の風情は、名跡古刹にふさわしい情緒があっていいかんじ。境内も落ち着いていたが、溢れかえる絵馬の数に、願いを叶えたい人々でにぎわう休日の盛況ぶりが伺える。わたしはといえば、現在も十分幸福、絶対に叶えたい願いのあるわけでもなし、普通に家内安全などお参りして左甚五郎の虎を拝んできた。甚五郎の虎は……薄暗くてよくわからなかった。。
門前の茶屋がまたいい風情。
目に入る草花木々に春の花、茶屋の前の梅は満開、畑の菜の花の黄色は目にも鮮やかで。厄除け団子なるものを賞味して、色あせた緋毛氈でお茶をいただく。
う~~ん のどか……
そこから少し車を走らせて、市民の憩いの湖らしい 八丁湖というものは通り過ぎ、その北側のポンポン山へ。他意はなし、名前のインパクトで訪問決定。
神社自体が岩山の上に建っていて、その境内の裏の土を踏みしめるとポンポンという音が鳴るという。
ここがその境内の裏。
岩がそそり立ち、木の根が地上に這い出ている。なるほど空洞な岩屋を踏みしめるゆえに音が出るのね、と思いつつ、本当にポンポン音がするのかどうか、力強く地面を踏みしめながらゆくと、たしかに音が変わる地点がある。ぽんぽんという軽い音ではなく、ぼんぼんと重い音だったが。面白いので疲れるまでしばらくぴょんぴょん跳ね回る。
暖かい日だということもあって汗をかいたのでひとっぷろ、と、市内でみかけた看板に沿ってたどりついたお湯へ。
ここ、あたり!
お湯の種類も豊富だし、なにより源泉がよい!ぬる湯でいつまでも入っていられる。
炭酸風呂もよかったな。サイダーに浸かったみたい、全身に炭酸の気泡がつくさまは圧巻。湯の中にちらちらと浮かぶ泡が光に溶けてぱちんと爆ぜるさまは、何かアートな情景だった。
そして先に陣取っていらした三人の老嬢の世間話がすごかった。そもそも平日の陽も高いうちからお湯に来るなんて、ご隠居の特権ではあるのだろうが。
老嬢A「そういえば、○○さん引越しなすったのよ」
老嬢C「ええ?そうなの??」
老嬢B「まあ、どちらへ?」
~20分ほど経過~
老嬢C 「そういえば、○○さん引越しなすったのよ」
老嬢A「ええ?そうなの??」
老嬢B「まあ、どちらへ?」
えええええ!?
何そのデジャヴな会話、と突っ込むわけにもゆかず。面白かった……。
*
ひとりで遠出するのは久々で、だから、少し寂しかった。
でもこうしてひとりにならないとわからないこともあるなあ、と思った。ひとりになって ひとりでないことを確かめる、そういう、こどもみたいなことをこの年にもなってまだやっている。ばかだなあと思う。