[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
それはとりもなおさずわたしがこの仕事場に来てから一年近くなるということだ。時が経つのは速いもんだ。相変わらず自分がものの役に立っていると思えないのだが、少しは自分の周囲を見渡せるようになった、と思いたい。働くことを考えるとき、わたしは心の底から「独りじゃやっていけねえな」と思う。(ひしめき軋る歯車の中に飛び込む勇気!)
存在する、生きるというのは磨耗するということだが、はやくなめらかな飴色の輝きを放ちたい、棘や角を取り去りたい、その一心で時の流れに身を任せている。
……ところで「時の流れ」って明らかに河を意識した言葉よね、そもそも時はそんな、水気のあるものなんだろーか。水の性質を持つのなら淀んだり腐ったり反乱したり流れ落ちたりもするのだろーか。
そういう時間を見てみたい。
ノンストップおしゃべり→カラオケという喉酷使コース、その後mと一瞬だけお茶して、帰宅。父の日には、この前自分のぶんだけでは飽き足らず、わたしと弟のぶんのおまんじゅうまで無断でたいらげて顰蹙をかっていた父のために、和菓子つめあわせセットをあげた。
・月曜日、ここのところ不調なので仕事の前にアレルギーの病院へ。時間があいたのでたこやきとラムネを食べる。ラムネを飲むと懐かしくも爽やかな気分になる、夏の匂いというか。mから「風邪を引いた」メールをもらい仕事へゆくと、Kちゃんも急性胃腸炎で倒れたとのこと。わたしの不調はこれといって倒れるようなものではないが、しかしいっそ倒れたくなる瞬間がないわけではないくらいには、つらい。
・火曜日、なんだかんだで夜があけるまでまったく眠れず。大下宇陀児なんぞぺらぺらめくってみる。そのまま出勤したら眠気でひどいことになった。失敗しっぱい。
*
まんなかのぷーさんの容器に蜂蜜を入れて、クッキーを浸して食べるおしゃれなつくり。おいしかったし楽しかったなあ。はちみつだいすき。冬になるとよくレモン果汁とお湯で割って、レモネードにしてるし、旅先で風邪になって薬も無かったときに、はちみつなめて治したこともある。喉にいいし、滋養になるんだよ~。
「蜂の子はね、蜜蜂なんかは小さくてダメ。わたしらが狙ったのはジバチ(地蜂)だね。あいつらは地面の下に巣を作るんだ。ジバチを一匹捕まえて、そのお尻に真綿を付けるの。扇形にちょっと広げてね、放してやると一目散に巣に飛んでくから、それっ!て皆で追っかけるの。真綿を目印にね、山ん中を走り回りましたねえ。川なんかもバシャバシャ入ってね、そりゃたまに見失うときもありました、でもそういう、追いかけるの上手な子が必ず居るんですね。蜂が地面にふいっと消えたらそこが巣だから、一生懸命掘って。刺されたり?もちろんしますよ。このくらい(5センチくらい)のがどっさり山のように取れましたよ」
もちろん食うために獲るのだそうで、子供は皆こぞって野山を駆け回ったそうな。
その他、イナゴ(バッタ)をからからに干したやつは、今売られてるスナックそっくりだとか、いろいろ趣深い話を伺ったのだが、私が一番驚いたのは
「そうやって(蜂の子獲りは)15、6くらいまで遊んでましたね」
という一言だった。今日日15、6ともなれば、渋谷だの原宿だの繰り出して遊んでいる子も居るだろう。いやはやえらい違いだ。
……ちなみに渋谷や原宿で15、6の子が何して遊んでるのかわたしは知らない、鬼ごっこやかくれんぼはやりがいありそうだと思っている。
あ、渋谷にある塩とタバコの博物館は入館料金100円くらいだし、面白いのでオススメ。
よみかけで積みっぱなしだった本を消化、しきれていないがまあとりあえず。
17世紀を舞台に、主人公にして作者のロベルトの小説を、書き手が「紹介」する形式。あとがきまで気を抜くな!
●ロベルトが遭難し、珊瑚に囲まれた島が見える無人船ダフネにたどり着き、船の中を探検。紙に恋人への想いや、これまでの経緯を書き付ける
●過去の人生、とりわけ夢想の中の敵・フェッランテと16のときの戦を想う
(父と親友・サン・サヴァンと健康と初恋を失う)
●船の中に誰かが居ることを確信
●パリでの社交界の様子、そこで今自分が陥っている事態の元凶となった恋について明かされる
(マザランとコルベールに、世界の定点を見つけるためのスパイを申しつけられる)
●ダフネにおけるカスパル神父との出会い・神父の話とダフネの目的、前日島というタイトルの謎とき
●島へたどりつくため泳ぐ練習をするロベルト、カスパル神父は海の底を歩く、と出発して帰らぬひととなる
●希望がなくなったロベルトはひたすら自分の夢想を書き上げる。フェッランテは死に、心の恋人リリアは瀕死で島へ流れ着く。ロベルトは船を出て海へ。
・
・
・
ラストが意図的に読者に投げられている。途中にも多重世界の示唆はあったが、ここで切るのはずるいなあ、と、ちょっと思っちゃう。だってがんばって読んだんだもの、バロック いびつ な世界をさあ。時空をあちこち移動し続けるのは読み手にとってぶれ続ける独楽の軸を追うような作業で、退屈にもなる。
なのでがんばって読んだひとは、訳者あとがきまで手をぬかずきちんと読むのがいい、いろいろと丁寧に解説してくれてるから。
また追記します。