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よみかけで積みっぱなしだった本を消化、しきれていないがまあとりあえず。
17世紀を舞台に、主人公にして作者のロベルトの小説を、書き手が「紹介」する形式。あとがきまで気を抜くな!
●ロベルトが遭難し、珊瑚に囲まれた島が見える無人船ダフネにたどり着き、船の中を探検。紙に恋人への想いや、これまでの経緯を書き付ける
●過去の人生、とりわけ夢想の中の敵・フェッランテと16のときの戦を想う
(父と親友・サン・サヴァンと健康と初恋を失う)
●船の中に誰かが居ることを確信
●パリでの社交界の様子、そこで今自分が陥っている事態の元凶となった恋について明かされる
(マザランとコルベールに、世界の定点を見つけるためのスパイを申しつけられる)
●ダフネにおけるカスパル神父との出会い・神父の話とダフネの目的、前日島というタイトルの謎とき
●島へたどりつくため泳ぐ練習をするロベルト、カスパル神父は海の底を歩く、と出発して帰らぬひととなる
●希望がなくなったロベルトはひたすら自分の夢想を書き上げる。フェッランテは死に、心の恋人リリアは瀕死で島へ流れ着く。ロベルトは船を出て海へ。
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ラストが意図的に読者に投げられている。途中にも多重世界の示唆はあったが、ここで切るのはずるいなあ、と、ちょっと思っちゃう。だってがんばって読んだんだもの、バロック いびつ な世界をさあ。時空をあちこち移動し続けるのは読み手にとってぶれ続ける独楽の軸を追うような作業で、退屈にもなる。
なのでがんばって読んだひとは、訳者あとがきまで手をぬかずきちんと読むのがいい、いろいろと丁寧に解説してくれてるから。
また追記します。