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ゆめ か うつつ か
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林の中、獣道めいた小道を辿っていくと、苔むした石垣に囲まれた小高い広場があった。建造物は既に無かったが、水場や大鍋、散乱した茶碗や一升瓶などから人家の跡だとわかる。

 電信柱の成れの果て。

そこからさらに少し下ったところに三件ほどかたまって集落の跡があった。

 

一番大きな廃墟とその内部。

一階部分は既に押しつぶされて木材の下敷きになっていた。二階部分には骨だけになった団扇や色あせた靴ひとそろい、電気プラグ、新聞や雑誌の1ページ。それも、雨風にさらされて文字が消えかけている。
傾きかけ、今にも潰れそうだったので、内部をこれ以上検証することは無理だった。やがてこの家も朽ち果てて木くずになってしまうだろう、人の住まない家は荒れる。

 かまどらしき物体。一面苔に覆われて、異様なオブジェと化している。

ここをつぶさに見ているとき、かなり近くから断続的にあひるのような鳴き声が聞こえてきていて、mと首を傾げていたのだが……

 正体見たり!


手のひら大ほどもあるヒキガエルが繁殖期を迎え、元気よく鳴いているのだった。家の正面にある井戸(?水場?)に折り重なるように何匹も、沢からやってきたのだろうか?

しばらく附近を探索した後、「蝦蟇の家」附近で昼食。持ってきたパンをぱくついたが、陽もささぬ林の中は薄暗く相当に寒かった。

そりゃあ、こんなとこに住むのは辛かろう。

などと、村を去った人たちの心中など慮ってみた。。

帰りは下りなのでらくらく、のんびり蜥蜴などひやかしつつ 車まで辿り着いた後は温泉でひとっ風呂浴びてゆるりと帰宅。

 

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いい天気だったので、かねてから行ってみたかった奥多摩の廃村へおべんと持ってハイキングに。

鳩ノ巣駅から歩いて約一時間というので途中まで車で行き、適当に歩いて行こう と、林道に入ったあたりで歩き始めたのだが 実際に行って見たら村の一歩手前ギリギリまで車で行けそうなのであった。mごめん 無駄に歩かせた……

  林道を延々とあるく。 汗ばむほどの陽気だが、風はさわやか。

 

古木。隣には楚々とした桜の木が花を散らしており実に風情があった。
俗に言う天狗の止まり木ってやつかしら。

  

柳田國男が滞在したこともあるという集落、峰への入り口。廃村ということで地図には既に無く、所在がよくわからないまま出発したのだが、案ずるには及ばなかった。川乗山登山道の途中に地図があるのでそこで確認できる。ただ、峰入り口の立て札は朽ちかけていて、注意深く見ないと通り過ぎてしまいそう。



川の方へゆるやかに下っていくような道。人一人通るのがやっとだった。途中、くもの巣や動物の糞が。
とはいえ動物の姿はなく、人気はさらになし。鳥の声ばかりがかまびすしく、山中の寂しさを際立たせていた。

 

弟「だから俺は湾曲(わんきょく)に言ってやったんだよ」

姉「うんそれ婉曲(えんきょく)ね」



……お姉ちゃん、間違いは率直に伝えてあげたほうが親切だと思うんだ。


うかうかしてたら都内の桜は散ってしまった。此花咲耶、花の寿命はかくも短い。が、日本は広い。少しばかり山のほうでも行けばまだ満開なんじゃないかと思って、天の岩舟ならぬ自動車を駆ってお花見。
なにせ先週はmと花見の約束してたのに、思い立って広島に行っちまったからね。つみほろぼしもかねて。

美術館にてお紅茶をいただく。苺のカップがかわゆい。



マイヨールのトルソーを見ながら「う~ん……Cカップ?」「Dくらいじゃないか」などと、ちっとも芸術的でない会話を交わす。ブロンズという硬い素材であんなにやわらかそうに作るのは凄いと思うんだ。。そう、硬質な物体で相反するものを表現するというのはとてもよいではないですか。矛盾してるもの、相反するもの、反宇宙的なものには大変にこころひかれる。


 O湖。山が霞むほどの桜。

 いい天気だった。

 こいのぼり。そうか、一ヶ月きったもんな……。

「われに五月を!」と言ったのはT山S司だった。彼自身はそうして五月に死んでいる、五月は確かに素晴らしい時季だ。ブラウニングもゆってたよ、「四月が去り 五月が来れば・・・」。

五月はmの誕生日なので、それだけでも素晴らしいような気がしている。「五月病」という言葉すらなにかしらうるわしい響きにきこえる、すくなくともわたしは五月に病んだことはないので言える台詞かもしれないが。







花見ついでの夜散歩、通りすがりの小さなお宮で、思いがけず祭に出会う。

ぴいぴいひゃらら
ぴいひゃらら

という軽快なお囃子と共に文字通り踊り出てきたのは 馬 だった。しかも、ビレッジヴァンガードとかで売ってそうなリアルな馬(の被り物)。

mと並んで唐揚げ食べながら、散る桜に祭灯籠って似合うなあ、と思った。




  
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