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ゆめ か うつつ か
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駐車場で、お留守番にゃんこ発見。

 「まだかなー」。

車でペットと一緒にお出かけって、犬ならよく見るけど、猫って珍しいよね。っていうか、猫もそわそわするんだなと。わんこの場合はわき目もふらず店の出入り口を見つめて主人を待ってる、けど猫もそうだとは思わなかった。

なんかかわいい。うらやましい。わたしは昔、猫を一匹連れて車で日本中を旅するというのに憧れていたのだけど、まわりの人には「猫なんてすぐ逃げちゃうから車向きではないよ」といわれて夢破れたのであった。

夢、復活。めざせにゃんことふらり旅。










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重い。

空気という空気がわたしの全身を押し付けているかのように、指一本動かせない。ああ。

非常な努力をして目を開けると、暗闇にこぽりと泡が立つのが見えた。ああここは水底なのだな、と思う。泡が弾け、わたしは急速に現実へと引き戻される。

――眠れませんでしたか

穏やかな声がする。声の主は見えないが、わたしは誰かがそこに居ることに安堵し目を閉じる。ひどい夢だった。声は淡々と語る、

――わたしもです。あの女を井戸に沈めてから、ずっとずっと、水底の夢を見る。これが良心の呵責というやつですかね? それとも祟り?

ぎょっとするようなことを言っている。誰だこいつ、そもそもこの部屋にわたし以外の誰かが居ただろうか?


――体は殺せても思いは殺せないんでしょうか。わたしはどうしても彼女から逃れたかった。だから首を吊りました、でも心はどこまでも追いかけてくるんです、死んでからも

全身からどうと汗が噴き出す。言い知れぬ恐怖にわたしは夢中で部屋の電気をつける。蛍光灯がちらつく一瞬の間、部屋の隅にぶらさがる死体が寂しく微笑み、やがて全て、消えた。










えびフライを頼んだら、マヨネーズと玉子を和えたやつがついてきた。玉子サンドの中身のアレだ。

野菜サラダは別についているし、純粋に彩り担当だろうかと思いつつ、箸をつけるタイミングがよくわからない。そもそもペースト状なので箸では食べにくいし。

扱いかねて食事を終えるころ初めて、えびフライにつけて食べるものだったのかもしれない、と気づいた。タルタルソースの代わりか、なるほど。

そして後日、全く別の場所で頼んだえびカツに、同様の玉子の付け合わせがついてきた。
で、素朴な疑問。

えびに玉子って、スタンダードなの?

まあ、甲殻類の刺激的な味覚と玉子(もっと言えば卵黄のクリーミィさ)が調和するのは、カニ玉を味わえば分かるけどさ。ありゃ美味いよね、うん。










参道前にあった木馬。ぼろぼろすぎて怖い。

ベルギーで青春時代を送ったわりに、あるいはその反動か、意外と和の伝統を重んじるGにかねてより誘われていた「厄払い」に行ってきてみた。

と いうよりこれは生まれ育った家庭環境の差かな。うちは東京に出てきて三世代目、神棚も仏壇もないし先祖代々の墓もない超核家族なので、わたしの家族で厄払いとか受けた人、ひとりも居ないんだよね。親父なんて「そんな発想は無い」って言い切ってたし。なのでそういう伝統がどうやらあるらしいと伝え聞いてはいたものの、「厄年には厄払い」っていう考えはまったくなかったのでかえって新鮮に思い、参ってみた。神社仏閣、好きだし(伝統だからっていうよりミーハー心で)。

で、せっかくなので行った事ない神社がいい!と思い、出雲大社(島根)か白山神社(新潟)って思ったんだが、そもそもGのスタンスはわたしのような「興味本位の社会科見学」ではなくきちんと文化を重んじる姿勢なので「遠すぎる」と至極もっともな反応が。そりゃそうよね。本来なら自分ちの近くの神社で受けるんだもんね。

それでいろいろ考えた挙句、以前も訪れた伊豆の「伊豆山神社」を訪れることにした。伊豆なら母のマンションを借りれば宿代はタダだし。関東近辺の厄除け大師といえば佐野か川崎ってとこだったが、あんまり人が多いとこはいやだしどうせならゆっくりできるとこがいい、さらに温泉があればいい、新鮮な魚介つきならなおのこといい・・・・・という、なんか書き出してみると厄除けする人間の心がけでは無いような気もするが、しかし、伊豆山神社は山の中にありながら海を一望できるほんとうに素敵な神社なので、ぜひ機会があれば訪れてみることをおすすめする。調べてみたらパワースポットとしても有名らしいし。

そんなわけで前日夜にGと合流し伊豆へ。当日は朝十時半に社務所へ、ということで、当日朝早起きして向かうのもできなくはなかったが、東京から向かうのでは時間が読めないしどうせ宿代はかからないし、絶対遅れたくないし・・・と思っての早めの伊豆入り。

予想外だったのは、久々のGとの旅で話が盛り上がりすぎて明け方まで修学旅行ノリで話し込んだことかな・・・・。

 でもがんばって、半分寝ながら十時二十分には神社へ到着。快晴!! 社務所で申込書を書いて提出し、準備が整うまでしばし待つ。ちなみに厄払いはひとり五千円、さまざま調べたが、他に比べたらまあ高くも安くも無い普通のお値段。

 白装束。社殿に上がるので、清めの意味だろうか。平安時代から抜け出てきたような衣装の神主さんのあとから、普段は上がれない神前へ。正座するかなと思ってスカートはやめておいたが、中には椅子がしつらえられていた。まあそうか。お年よりも来るんだしね。

身を震わすような大音声の太鼓が鳴り響き、神主さんにお祓い&祝詞をよんでもらって、榊(さかき)を捧げて、三十分くらいで終了。祝詞が面白かったな。先に申し込んでおいた住所・氏名を読み上げて加護を願うんだけど、こう、祝詞のリズムで名前を読み上げられることなんて、この先あるのかなあと。

 お祓いが終わって神主さんに戴いた「厄払いセット」。写真、横になってしまった・・・。絵馬とお守りとお札、そして神饌(供物として神様にささげたあと、おさがりをいただく)の鰹節。場所によってはとろろ昆布とかがついてくることもあるらしい。絵馬はその場で書き込んで奉納、あとはありがたく持ち帰り。

神主さんも温和なたたずまいの方で、境内もすがすがしく、わたしのような不真面目者でも心改まる思いがいたしました。合掌、ならぬ拍手。







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