ゆめ か うつつ か
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
重い。
空気という空気がわたしの全身を押し付けているかのように、指一本動かせない。ああ。
非常な努力をして目を開けると、暗闇にこぽりと泡が立つのが見えた。ああここは水底なのだな、と思う。泡が弾け、わたしは急速に現実へと引き戻される。
――眠れませんでしたか
穏やかな声がする。声の主は見えないが、わたしは誰かがそこに居ることに安堵し目を閉じる。ひどい夢だった。声は淡々と語る、
――わたしもです。あの女を井戸に沈めてから、ずっとずっと、水底の夢を見る。これが良心の呵責というやつですかね? それとも祟り?
ぎょっとするようなことを言っている。誰だこいつ、そもそもこの部屋にわたし以外の誰かが居ただろうか?
――体は殺せても思いは殺せないんでしょうか。わたしはどうしても彼女から逃れたかった。だから首を吊りました、でも心はどこまでも追いかけてくるんです、死んでからも
全身からどうと汗が噴き出す。言い知れぬ恐怖にわたしは夢中で部屋の電気をつける。蛍光灯がちらつく一瞬の間、部屋の隅にぶらさがる死体が寂しく微笑み、やがて全て、消えた。
空気という空気がわたしの全身を押し付けているかのように、指一本動かせない。ああ。
非常な努力をして目を開けると、暗闇にこぽりと泡が立つのが見えた。ああここは水底なのだな、と思う。泡が弾け、わたしは急速に現実へと引き戻される。
――眠れませんでしたか
穏やかな声がする。声の主は見えないが、わたしは誰かがそこに居ることに安堵し目を閉じる。ひどい夢だった。声は淡々と語る、
――わたしもです。あの女を井戸に沈めてから、ずっとずっと、水底の夢を見る。これが良心の呵責というやつですかね? それとも祟り?
ぎょっとするようなことを言っている。誰だこいつ、そもそもこの部屋にわたし以外の誰かが居ただろうか?
――体は殺せても思いは殺せないんでしょうか。わたしはどうしても彼女から逃れたかった。だから首を吊りました、でも心はどこまでも追いかけてくるんです、死んでからも
全身からどうと汗が噴き出す。言い知れぬ恐怖にわたしは夢中で部屋の電気をつける。蛍光灯がちらつく一瞬の間、部屋の隅にぶらさがる死体が寂しく微笑み、やがて全て、消えた。
PR