よしこ！

言うまでもなく駐車場の名札だが、なんとなく甲子園での代表校入場を思い出させる佇まい。

怪談って言うか霊的な話。

霊感の強いタクシー運転手に一年ぶりくらいで再会し、霊現象についていろいろ意見を交わしてきた。

「いやあ、いろいろお乗せしましたが、こういう話したのは、正直お客さんだけですよ」といわれた。妙齢の女が怪談に夢中とはよほどの変わり者と思われたらしい。しかし、ナマの体験談ってめったに聞けないもんなあ。わたし今まで生きてきて、わりと機会があればそう言う話を尋いてきたほうだけど、それでも伝聞でなく、「確かに霊体験しました」というオリジナルの事例は二人しかきいてない。

ひとりは留学中に会ったＪで、「聴こえる」系の話をよくしてくれた。枕の下から渦巻いてラップ音が聞こえるとか。幸か不幸かこの子の場合はハタチすぎくらいからそういったことに縁遠くなってしまったという。

で　もうひとりがこの運転手さん。「金縛り」「ラップ音」「視える」系すべて網羅のツワモノ。なんでも高校まではまったく霊感ゼロだったのに、自動車免許合宿で出会った他校の子がものすごい霊感の持ち主で、その子としばらく一緒に居たら見えるようになってしまったという。この話は、数ヶ月～半年ごとくらいに再会するたびに同じ話を繰り返ししてもらっているので、嘘やつくりごとではない。なんていうのかな、「オリジナル」としか言いようがないリアリティのある怖さなんだよね。

ま、怖い話はなるべく割愛。

この運転手さんも、ここ数年はそういうことは起こっていないそうで、そういうのってやはり、思春期とか不安定な時期にもっとも多くて、働いたり生活やメンタルが安定してくるとおさまるもんなのでは・と尋ねてみると。

「私の場合は、父が亡くなりまして、それから意識が変わりましたね。なんかこう、身近な人があの世へいくとまた感覚が変わりますね」

あーわかる。わたしも去年ばあちゃんなくなったけど、いざとなったらばあちゃんが守ってくれるって思うもんね。「あの世に味方がいる」ってかんじでさ。

そういうわけでなんかしみじみと霊魂について思いをはせてしまった。

非現実的だの、科学的な根拠がどうの、「いる」「いない」の話じゃなくてさ。
なんでそういうものがあるとわたしたちは思うのかっていう話。

小人閑居してファッションチェックをなす。

超眼精疲労、と言われてからとりあえず電車内読書を控えてみたが、なにしろ通勤時間が一時間ほどもあるので暇を持て余してしまう。中央線が高架になってから車窓の見晴らしはよいのだが、それも都内へゆくに従い高層ビルに閉ざされてゆく。

仕方ないので、眼を使わずに手軽にできる暇つぶしとして、車内のファッションチェックを勝手に楽しむことにした。

若い女の子はさすがにセンスのよい人が多く、流行のマキシスカートやパステルカラーを取り入れる人、古着ファッション、ロリータなど、見ていて飽きない。比べると男性は、なかなか無彩色から脱出できていない人が多いような気がする。まあ、男性の場合、社会人ともなると基本スーツだし、仕方ないのだろうけど。

今日は還暦近いご婦人、紫紺の服に虹色と金色が混ざったバッグを持った、クリムト調の着こなしが私的ベストドレッサー賞。梅雨らしい滲んだ色彩、ネックレスがまたデコラティブで、このくらいの年齢で個性を出した装いができるのは素敵だなと思う。

DON

ＤＯＮ（丼）の中で何が好きか、と問われて、「親子丼」っていうひとはどのくらい居るんだろうか。

鶏肉とたまごがあれば出来る親子丼は簡単だし材料も安上がりなのでうちでは一時期毎週のように作られていた、そのせいでわたしは親子丼がそんなに好きではない。外食でわざわざ頼む気にはなれないのだ。

わたしが好きなのは天丼か牛丼で、特に天丼は、揚げたて熱々のてんぷらをご飯と一緒にいただいたときのさくっとジューシーな歯ごたえはこたえられない。カツ丼派には申し訳ないが、わたしは断然カツ丼より天丼派である。なんと言っても天丼はその具材の多様さが素晴らしい。海老、いか、鯵など海鮮から、山菜やししとうなどの野菜もカバーできるオールラウンダーぶりは、ＤＯＮの四番打者といえよう。カツ丼もうまいけどさ、肉一辺倒なところがちょっと単調。

ていうか揚げ物は台所が汚れるのでやはり外食するに限るね。


＊


ちなみに親子丼好きはｍだが、このひとはブルジョワのくせになぜかこういう貧乏くさい食べ物が好きだ。お寿司ならかんぴょう巻き、丼ものなら親子丼、魚なら鮭。安上がりでいいと思う。

怪奇！人喰い券売機！？

 　券売機前に、不自然に靴が脱ぎ去られていた。

m「吸い込まれたんじゃね？」

ホラーだな！