ゆめ か うつつ か
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昼下がりのスーパーは子連れの主婦で賑わっていた。
平和な喧騒をかきわけ野菜や冷凍食品のコーナーをぐるりと見てまわると、わたしは手ぶらのままレジの列に並んだ。そうしてとても落ち着いた気持ちでジーンズに挟んでおいた拳銃をとりだすと、無造作に、電気のスイッチをひねるより当たり前に、前に居た少女の頭を吹き飛ばす。血と脳漿と、少女が手にしていた蜂蜜の瓶が弾けた。甘い血の香りが広がり、同時にあちこちで悲鳴が上がる。そのあとは店員も客も、動くものは手当たり次第に狙い撃つ。ただ、火のついたように泣く幼児をかかえ顔をくしゃくしゃにしてすすり泣く若い母親はひどく滑稽で、その母子だけは見逃してやることにした。血まみれで外へ出ると、みなが拍手喝采で出迎えてくれる。その人々をもいちいち殺して回った、憎しみも怒りも感慨もなかった、
なぜならその世界の人間はすべてわたしだったから。
*
月経〈つきのもの〉のときはいつも、血腥い夢を見る。
平和な喧騒をかきわけ野菜や冷凍食品のコーナーをぐるりと見てまわると、わたしは手ぶらのままレジの列に並んだ。そうしてとても落ち着いた気持ちでジーンズに挟んでおいた拳銃をとりだすと、無造作に、電気のスイッチをひねるより当たり前に、前に居た少女の頭を吹き飛ばす。血と脳漿と、少女が手にしていた蜂蜜の瓶が弾けた。甘い血の香りが広がり、同時にあちこちで悲鳴が上がる。そのあとは店員も客も、動くものは手当たり次第に狙い撃つ。ただ、火のついたように泣く幼児をかかえ顔をくしゃくしゃにしてすすり泣く若い母親はひどく滑稽で、その母子だけは見逃してやることにした。血まみれで外へ出ると、みなが拍手喝采で出迎えてくれる。その人々をもいちいち殺して回った、憎しみも怒りも感慨もなかった、
なぜならその世界の人間はすべてわたしだったから。
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月経〈つきのもの〉のときはいつも、血腥い夢を見る。
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