ゆめ か うつつ か
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
何でも自宅から五分ばかりのところに見世物小屋ができたという。
どれ行ってみるか、と寝巻きのままひやかしに歩いて行った、行列ばかりが長く尾を引く様子に帰ろうと踵を返すと偶然知人のMに出会った、Mはここで働いており顔が利くので特別に入れてやろおうと言う。そんなわけで入ってみたが中は荒れ放題で何の仕掛けも面白味も無い、これはひどいと呆れていると、歩く傍から瞬く間に周囲が構築されていった。次々と現れる扉を片端から開け放ち中を確かめる、書斎風の部屋は統一性の無い本で埋め尽くされていたしその次の部屋の中は見渡す限り森だった、酷い顔色の白雪姫が七つの棺に囲まれて喪服で歌を歌っている。若い王子と王女が婚礼衣装で手を振る横でピエロが跳ね回っている向こうに竹林が広がり、中国服の老人が顎鬚をしごきながら書をひもといていた。緑色の川がにわかに泡立ち中から一条の龍が天に昇る。その光りの跡をいつまでも見つめていた、気がつくと私は人いきれのたちこめる小屋の中にたたずんでいるのだった。
*
他に犯罪者の三人が別々の逃走路で山を下り追っ手をかわす捕り物、昭和初期の地方豪農の家督をめぐる騒動と殺人事件、五人が異空間に閉じ込められ脱出を図るキューブばりのサイコサスペンス系夢をそれぞれ一本ずつ。うう お 面白い…!
PR