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清張の『水の肌』読んでたら出てきておいしそうだったから真似っこ。今更だけど清張のカテゴリ作ってみた。これから読もうという人には思い切りネタバレだよね。すいません。本も、もう少し系統立てて推理とか歴史とかその他雑学とかに分けたほうがいいのかなーどうなんだ。読んだ本全部記してるわけじゃないしなァ…
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『戻り川心中』 連城三紀彦
最近のミステリで佳品と評されているのは知ってたけど読んだこと無くて…『幻影城』で田中芳樹と一緒に何か書いてたのは知ってたけど特に興味も無かったんだけど…
川の流れがある地点で逆流する川のことを『戻り川』、そこで歌人が心中をはかるが、真に歌人が愛してた人は…というとこを謎解きに持ってきた話。
個人的には「桔梗の宿」のほうが好きかな。殺人事件の聞き込みにやってきた刑事と芸者。そこに再び起こる殺人事件。その理由は…、八百屋お七を地で行く話。あと「桐の棺」は、やくざの義兄弟とひとりの女の愛憎を描いててなかなか、屈折したエロス。
『杉浦日向子の江戸塾』 対談集なんだけどやー面白かった!純粋に、知らないことを知るのはとても面白い。北方けんぞう氏とのやりとりもまんま、江戸期の女と男みたいで。江戸は政治的・歴史的に女性の数が男性よりずっと少なかったというのは有名な話だったけど、こうまで女性上位社会だったとは…どっかで言及されてたけどほんと、文化が隆盛するのは平和な時期、そんでもって女性が経済力持つと相対的に男は情けなくなるんだな・「粋」の定義とか、すごくしっくりきた。そうそう面白さ・無駄の追求だよね!実利に結びつかなくてもそれでいいんだよね!江戸は省略・敗北・マイナスの文化、上方は豪奢・華美・プラスの文化なんてのもおもろかった。あたしは典型的な江戸型だな…お江戸でござる大好きだった…杉浦さんのご冥福をお祈りします…
『アイヌ歳時記』 萱野茂
去年くらいからアイヌのことが気になってて…人類学の講義は受けたけど基本的なことがわかってないので、まずは入門書から。著者がアイヌの人だというだけあって、体験的な記述が書かれてて面白かった。頭をぶつけたらぶつけた場所にも「痛いだろう」と声をかける、あららこれあたし小さい頃によくやってた…自分がこれだけ痛いんだから、ぶつけたところもさぞ、痛かろうと…ものには全て魂があると信じてたからね、あたし、アイヌの素質あったのかしら・とか。植物や動物にあたりかまわず声をかけてひとり、笑ってることなんてしょっちゅうだったけど他の人はそうしてないからいつのまにかやめてしまった、けどそういうのが当たり前のところもあったんだなあ…懐かしくて嬉しい気分。それにしてもアイヌは鮭が主食だったのに、本土の日本民族が鮭猟を禁じてしまったくだりは読んでて泣けた。主食禁止ってなんだそれ。歴史ってのは一概に一方の立場からは言えない、けどとにかく日本人がアイヌを虐げた話は今までにもいろいろ、聞いてるし読んでる、それが今更ものすごく辛い。辛いなあ。
アイヌの本は他にもいろいろ。『太陽』シリーズのアイヌ本は写真が豊富で見ごたえあるー。
あと中国古典は相変わらずぱらぱらめくってるし(秋灯新話他)大江も読んでるし(正直重い)中井英夫の薔薇シリーズ(イイ!)、それと有栖川有栖なんかを少し。この人のは正統派だし素直だし短編なので読みやすいよね。けど、よーし解いてやるぜ!って思わせるような謎では、あんまり、ないような…まともすぎるんだよなあ、もうちっとこう、ビビッと感性に訴えるようなやつが読みたい。漫画の「少年探偵コナン」みたい、きれいな謎できれいな落ちで、そこが好きって言う人も要るかもしれないけど、私には物足りないかも。まあまだ全然読みこんでないから何にもいえない。