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ゆめ か うつつ か
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両親と三人で、山にゆく。長年乗っていた車を明日廃車することになり、お別れドライブの運転要員として、同行。久々に明け方に起きた(というか、起こされた)。わたしの担当は夜なので、日の出を拝んでからはひたすらぐうすか眠り続ける。

 朝もや。

思ったより雪解けが早かったので、親父には「まだ早い」と言われつつ・もしかしたらと、ふきのとう探しに裏山へ。残雪が輝いて眠い眼にまぶしいなか、いろんな動物の足跡を追うのも楽しい。



うしろにひとつ、前にふたつの足跡は、うさぎだそうだ(そういえば、うさぎとびは後ろ足をそろえる)。

 チョキ!いのしし。

 狐かたぬきか。

 これは、人間の。


 雪をかきわけ山の中、ひだまりにぽつんとひとつだけ みつけたふきのとう。そこだけ春が咲いてるみたいに、あかるい。よく観ると枯葉や泥におしひしがれて小さなつぼみが点在していたが、採らずにそっと泥を除けて残してきた。もっと大きくなってからまた誰かが、採ればいい。

きつつきが虫を探す音がココココココココ、春の空に響いていた。寝不足のアタマには、春のすべてがひかりかがやいて脳髄に突き刺さるような気がしたので、小屋に戻ってこたつで再び眠りほうける。
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