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ゆめ か うつつ か
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 五片の花弁が、もとはこうしてぴたりとくっついて、球形を成していたとは。展開図の問題みたい、数学的なうつくしさ。

ときが来ればひとりでに割れ弾けのだろうが、それまで中はどうなってるんだろう、ああ引き裂いて中を見たい、という誘惑に駆られた。

昔、学校のベンチの前に山茶花がたくさん植えられており、友達と駄弁りながらのてすさびに、花が咲く前の固いつぼみを中まで全て、閉じた花弁をこじあけまだ青白い蕊がこぼれるまでばらばらにむしる、という罪なことをやったものだが、不思議と飽きなかった。足もとには瞬く間に若い山茶花の骸が積もったものだ。

自然に出来る閉じた空間(例えばたまご、例えば竹の節など)を「うつぼ」といい、古来より不可思議な力が宿っているといわれているが、それを暴きたいと思うのもまた「うつぼ」の魔力だろうか。開けた途端その力を喪う、儚い魔力だが。

竹取物語の竹、桃太郎の桃、瓜子姫、瓢箪のなかの仙境、なもしらぬとおき島より流れよる椰子の実、胡桃の中の世界、枇杷の見る夢……文学のなかでもうつぼは大人気だね。






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