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五年ほど前から漠然と手に入れたいとねがっていた『S/Z』をこないだようやく買ったので少しずつ読んでいる、が わたしはもともとバルザックの『サラジーヌ』の物語を知りたかっただけなので、そこだけ読んでもう満足しかけている。テキストをばらばらに解剖するのは恐ろしい、自分の文章にあてはめると。こんなに微塵にされてしまったらあとには何も残らないだろう。
バルザックは日本では『谷間の百合』なんかは有名だけど、ほかのはあんまり……ないんだよね。。『サラジーヌ』の訳も、探しても見つからなかった。まあわたしも、バルトの研究書で初めて知ったんだけど。ようするにフランスの彫刻家サラジーヌがイタリアの美しい歌手ザンビネッラに恋をする、かれが男だとも知らずに。そしてサラジーヌはこいするひとが男だと知り絶望し死んでゆく、という話。ザンビネッラが去勢された男であることがなかなか明かされないのがこの話のミソ。バルザックは『セラフィータ』もそうだけどずいぶん両性具有的な存在を描いている。
あとはロード・ダンセイニとかデュルケムとか節操無く。あいもかわらず内田百間やら中井英夫やら短編も買ってるし追悼の意味でアワサカツマオ、あとつとめさきで池波正太郎と中沢しんいちをもらった、それくらい。
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mにオススメされて以来諸星の漫画ははまりつづけている。
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追記・かなり以前に読んでそのままメモだけ残ってたもの。
『悪霊』 ドストエフスキー
上下巻、上はひたすら登場人物の紹介エピソードで読むの辛かったが下巻、第二部で町長夫人ユリアの野望である慈善パーティーをぶち壊すくだりになると俄然おもろい。
最初はワルワーラ夫人の息子、虚無の申し子みたいなスタヴローギンを気に入ってたがどうしてどうして、かわいそうなステパン先生の息子、人畜無害そうでいて黒幕、狡猾なピョートルが最高だ。砂の城をつくりあげた瞬間にぶち壊すみたいな人生の楽しみ方を知っている。でもスタヴローギンにどうしようもなくいかれてる!
かわいそうなのは女の子たちだな。
ツルゲーネフモチーフの詩人のやっつけ方は酷かった。
キリーロフ
「ぼくの考えでは、人間は子供を生むことをやめるに相違ないね。目的が達せられた以上、子供がなんになる?発達がなんになる?
福音書にも、復活のときに子を生まず、…と言われている
ステパン先生の逃亡
馬車でも汽車でもなく街道を歩く
『街道―それはなんというか、長い長い、どこまで行っても果てしがないもの、
街道には思想がある。だが、駅馬券にどんな思想があるだろう?駅馬券にあるのは思想の終末だ』
掲載されなかったスタブローギンの手記
ペテルブルグで幼い少女を辱しめ自殺させた直後の感慨
→問題は、生きていくのが気が狂いそうなほど退屈なことであった
ぼくは自分で自分を赦したい、そのために無限の苦しみを求めている