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ゆめ か うつつ か
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眠れないままに徒然。


*死体を探しに行く墓のココロミ。


私にプライドが無い(或いは、無いように見える)のは プライドの所在が他人と異なるからだ。私は私の深層に、これだけは突き崩させない 護り通さねばならない「モノ」を持っている、そのためならどんなに下らないことでもやり遂げるし媚びへつらうことも厭わない、笑いながら敗北できる。

…さてその深層にある「モノ」だが、実は大事に護りすぎるあまり、ほとんど実体を失ってしまったというのが妥当なところではないか。宝箱も王家の墓も 見つけた頃には空っぽなもの、言うなれば私は既に私自身の墓に相違無い。そしてたとえ肝心の中身を見つけたとしても、それは既に死んでいるのだ。


*ハーゲンダッツマカダミアより愛してる!


…とはいえ、具体的にそのひとのどこを愛しているのか問われてもうまく説明できない、性格や声や目や髪の毛や、もちろん愛しく思ってはいるものの、それはただの形骸に過ぎない。だがしかし形を愛しているならまだ理解しようもあるものを。

つまり自分でも理解不能なのだ、そのひとの何が他の人間と異なるのか分かっていない。
違ったのはただ、その人だけがわたしを廻る隔たり・壁・障害…を、越え得たということだけだ。

気付けばどうしようもなくわたしの中に入ってきていた、内部に侵入していた。ただそれだけなのに世界は厳然と分かたれた、峻別されてしまった。そのひとが居る世界と居ない世界の二つに。
二十年以上もの時間を共にした家族や、誰より親しい友人よりも、出会ったばかりのそのひとに、瞬く間に鮮やかに切り込まれた。

或いはそれを愛だとひとは言い、またそれを錯覚だとひとは言うのだろう。



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