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ゆめ か うつつ か
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北陸では天候がよくなかったので、なんだか青い空を見るのだけでもうれしくなり、紅葉狩り。

  筆舌にはつくしがたいうつくしさ。

 上田城近くのお茶室「百余亭」でいただいたお薄。和菓子は柿、茶器は京焼き、その名も「紫式部」だと、女亭主はおっしゃった。う~ん秋だね!! 秋の日も傾きかげんの日本庭園を見ながら、のんびりお抹茶を楽しんだ。

お茶室もお庭も冗談のようにちいさいのにね、細微であり最美なの。日本人はミニアチュール、最小化・小型化が好きだってなんにんかの知識人がゆってたが、そうだなあと思う。


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さて、白川郷をとおり、長野県の松本・上田へ抜けようってんで目指すは岐阜の東端・飛騨高山。平日だからか車も込んでおらず、色づく山をすいすい越えた。途中小腹がすいたので、飛騨牛のきれっぱし入りコロッケを食べるため、飛騨古川にちょっくら寄り道。

 看板にいつわりなし。うまくてでかかった。なにより、カレーとかに入ってそうな牛の切り落とし肉がごろごろ入ってるのがいい。注文してから揚げてくれるので熱々! この日は寒かったので、わたしは追加でもうひとつ頼んでmと半分こしてしまった・・・・おいしかったんだ・・・・

この飛騨古川、実はちょっと立ち寄るには惜しいくらい風情のある街で、なんと街の水路には縦横無尽に鯉が放たれている!! ・・・・なんかちょっと、奈良の大和郡山(金魚の産地。以前わたしは「街中に金魚が泳ぎまわっているメルヘン」に惹かれてかの地を旅した)を思い出した。

 白壁土蔵と水路。道には柳。
 鯉!・・・・は、寒さでみんな固まっていた・・・。これ以上寒くなると引き上げてしまうらしいので、運がよかった。夏に浴衣で散策したい街だなあ。

この後、平湯温泉(ひらゆの森はオススメ! たたみじきのひろびろとした館内に、めっぽう広くて数の多い露天風呂がある)に立ち寄り、そこから高速(社会実験中で無料)で2~3時間ほどで無事上田に到着。



上田のラーメン屋にて。

 その名も「ゆきむら」ラーメン。味玉サービス中なのか、一個半もはいっててうまい!

そして、駅前で大学の先輩に偶然出会ってそうとうびっくりした・・・・。
雨雲の間隙を縫って、飛騨方面へ南下。高岡~五箇山(ごかやま)の合掌造り集落までは高速で1時間ちょっと。はやかった。

岐阜県の白川郷から見たらもっと奥にある、富山県の五箇山は、名のとおり五つの山に囲まれた谷あいの集落で、その昔、加賀藩の流刑地だったという。

 五箇山集落を上の駐車場(¥500)から眺めたところ。観光客がたくさん居たが、白川郷ほど整えられてないのがいい。

 合掌造りの民家がならぶ。このあたり、雨で肌寒かった・・・・。土地が悪くて米が取れないので火薬(煙〔塩〕硝)をつくっていたらしい。その様子が、村の風俗館とセットで¥300。風俗館では、受付のやさしそうなおばさんがささらを鳴らして歌ってくれた。このへんの訛りはもの柔らかで、ほんのり京風にも聴こえた。それだけで、ずいぶん南下してきたなあと思う。

 !!! 窓のところにある白いアレは・・・パラボラアンテナ!?  ちょっと興ざめ・・・・まあ、観光客の勝手なんだけどさ。でもせめて茶色に塗るとか・・・・京都のマクドナルドくらいの配慮が欲しかった・・・・。


  

加賀藩の政治犯を収容した流刑小屋。のぞき穴から覗くとほんのり人形が見えて、ものすごく怖かった・・・・
それにしても紅葉がきれいで、眼福だった! 

 山に向かうにつれ雨が細かくなっていって、森から霧がしゅうしゅう出て、それが一条の竜のようにたちのぼっていたのが印象的だった。紅葉に雲竜。

 五箇山名物、というか岐阜名物の、とちもち。名作絵本『モチモチの木』のあのお餅だよなあ、と思ったらついつい買ってしまった。栃の実をすりつぶしてくわえたもので、購入した日につきたてでやわらかかったのが、すぐ硬くなってしまった。まぜもののないしるしだよね。食べ方は、軽く焼いて砂糖醤油やきなこで。後日砂糖醤油で試してみたが、ほんのり甘い素朴な味がしておいしかった。焼くとつきたてのようなやわらかさが戻っていて、この感触、小学生以来だなーと思いながら味わう。



 おまけ。白川郷の合掌造り。こちらは開けたところにあり、ひろびろとした水田があるのが五箇山と違うところ。

 ぎやまんをはめこんだ城門が有名な、加賀前田家の菩提寺、尾山神社。ここで、真夏の通り雨かと思うくらい猛烈な風雨が襲来! 全身ずぶぬれになりつつ、拠点のホテルへと一時撤退。

 前田利家公。このとなりに、妻 まつ の碑もあった。なかよきことはうつくしき哉。

 午後イチで、忍者寺と名高いからくり寺、妙立寺へ。写真禁止だが、これはぜひ、実際に見てみるべき。電話予約が必要なのだけれど、土日以外やシーズンでなければそんなに混まないのか、当日でも楽に予約ができた。外から見ると二階建て、実は四層、23部屋で、階段は29個・・・・と、妙齢の女性ガイドさんがわかりやすい解説をしてくれる。

実はわたし、当初戸隠で訪れたような体験型忍者屋敷なのかと思っていたので、忍者とは関係のない加賀のおとのさまの第二の城だという事実に、最初は少し失望した。でも、そんな失望を補って余りあるほどのからくり。たくさんの落とし穴、隠し扉、抜け穴エトセトラ・・・・・いいセンスしてるなあ、と感心しきりだった。

 妙立寺付近で見かけた標語(?)。あふるる金沢愛。
「地球大好き 日本大好き そして金沢が一番好き!」


豪雨にこれ以上の街歩きをあきらめ、能登半島へ車で出発。

 一時間ほど走って着いた、能登国一宮、気多神社。

 ・・・・・・別名、恋愛成就の宮。いっぱいのハート絵馬にどぎもを抜かれる。 毎月一日は無料でお払いや占いをやってくれるらしかったが、時間もなし、また恋愛に悩みがあるわけでもなし。が、一応どのような占いなのかやんわりたずねてみると、社務所のおばさまがけんもほろろに「三時半を過ぎるとうけつけないよ」とおっしゃる。別にやろうとおもってないです、ただ神道の占いってどんなものか、御籤なのか神おろしなのか尋ねたかっただけです。ついでに言えばガイド本には四時半終了と記載されていたのだけど、しかし、宮の方がおっしゃるのであれば受付はしないのであろう。さすが訴訟沙汰になっている神社ともあって、遠方からの参詣客のあしらい方をこころえた宮だった。

はっきりいって不快な神社だったので、もう行かない。

 尾山神社の勝守。兜がぬいとりしてある。 下は気多神社の気守り(それでもお守りマニアとしていちおう買う)。

気を取り直し、そこからすこし走ったところにある山間のカフェへ。

 インドネシア・バリを思わせる入り口。
 あたたかないろり。火はファインダーをとおすとむらさきいろに変化した。
店のオーナーと少し、話す。岐阜のなまりがやさしくまろやかなひとだった。サンドイッチも、バンズから手作りしているというこだわりっぷり。地元のおばちゃんとも少し、おしゃべりできて、わたしは非常に楽しかった。

冷えたからだを海沿いの立ち寄り湯であっためて、夕食はわたしのわがままをきいてもらい、金沢へまいもどって「まいもん寿司」へ。

  あぶらののった、ぶり。ここ来たかったの!!!回転寿司なのにネタがものすごくいいと評判のおすし屋。ナマ魚嫌いのmをむりやりつれてきてしまった。だって金沢で魚くわないってどうなのよ!! うまかったなあ、ぶり・さんま・うに・いくら・とろろ月見・たまご・あら汁にいたるまで・・・・!

かくして満腹・満足で、当夜の宿の富山高岡へ向かったのでありました。


五月に日本海を北上し山形をおとなったのだが、今度はこれを南下して北陸・金沢へ。
6・7時間ほどかかりそうだとふんでいたのだが、道路も空いており、五時間くらいで到着した。「近いなー」と思ったがたぶんこれは東京~石川間を短時間で次々と多くの県を越えていったので、「近づいてる」感があったのかもしれない。新潟ばかり延々三時間よりも、東京→埼玉→群馬→長野で三時間走るほうがなんとなく稼いでる気がする、いわば心理的錯覚。

富山のICで給油したのだが、おじさんが「お支払い方法はどうしますか?」と尋ねてきたくせに、何度「カードで」と言っても「現↑金↑で?」と富山訛りで返してきたのが、ああ異国に来てしまった、もう日本語は通じないかもしれぬ、と思わせてくれてとてもよかった。

ちなみに、mと金沢に行こうと決めたのが10月30日。プランをたておわったのは10月31日で、その夕方に出発、そのまま金沢のビジネスホテルで一泊した。その時点でかなりの大雨だったので、天候に若干不安があったのだけれど・・・よもや、ああも大荒れになるとは、この時点では予測もつかなかったのであった・・・・。

1日朝、金沢市内を散歩がてら、21世紀美術館へ。mはあいかわらず早起きが苦手そうで、ぼーっとしていたので、途中のカフェで朝食を摂る。


 あいにく月曜で休館日だったけれど、この美術館は休日でも館内に入れるし、常設展が無料で見られるのがうれしい。

 館内の椅子もかわいい。
 タレルの部屋+わたしの手。天井が四角くきりとられて青空のキャンバスになっている。これ、ここを訪れた一瞬とてもきれいに晴れてくれて、うれしかった!!

   
そのまま徒歩で兼六園へ。ちょうど、兼六園名物「雪吊り」の準備をしているところがみれた。ここまでは天気もよくて大満足!

 日本最古の噴水。あまりにも垂直に、ただただ噴き上がっているそのシンプルなフォルムに、なんだかおかしみを感じた。庭園趣味といえば中国、という理由からか、中国からの団体客も多かった。

 そのまま金沢城公園へ・・・・このあたりから、だんだん雲行きがあやしくなってくるのであった。

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