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感染してるかも、と思っていると、ちょっとしためまいやだるさにも「もしや!?」と過敏に反応してしまい精神衛生上よくない。いっそ病院で一思いに検査してこようかと思いつつも、確たる自覚症状もなしにみだりに病院に行き医療関係者の手を煩わせるのも悪いしなあとか適当に理由をつけて動こうとしないのは、要するに、めんどくさいのです。
ただ、めんどくさいばかりでもなく、わたしは高熱の状態がわりと好き(体がぐったりすると頭の芯が冴えてくることがあって、この感覚が好き)で、別になってみてもいいなあとか。個人的にタミフルにも興味がある、親父がこれを飲んでなにやら幻覚を見たらしいし。
まあ、そんなこと言えているうちはまだ余裕あるってことで。
この階段のあるビルのたたずまいがいかにも正統派オフィスビルってかんじで、いつかは登ってみようと思っている。
検査しましょうって言われたときから血の気が引いたが鼻水で検査するみたいだった!
心の中での歓声はやむことがなかった(^O^)うおおー!」(原文ママ引用)
!インフルだった!のか!!!
つうわけで、とめどない高熱に病院再訪の結果、まさかの逆転インフルエンザ認定を受けたmは本日より蟄居開始。メール全体に注射をされなかった安堵感がみちみちており、 よかったね と 思う。
しかし自動的に、ここ数日間行動をともにしていたわたしも感染してしまったような気がとってもするんだけど、とりあえず平熱だし自覚症状も無いし・・・・・・さしあたってはマスクをしておこうと思う。
感染しても発症するひとは一割らしいね。
午後十時すぎ、「なんかダメっぽい……」というSOSを受けたので、救急外来にmを搬送。
救急外来って初めて行ったけど、待ち時間の合間にもどんどん病人運ばれてきてびっくり。急病人って尽きないんだなあ……。今日は特に混んでいるらしく、「救急車二台待ちです」ってゆわれた。台数で言われても目安にならねえよ!
まあ、明け方までかかったらちょっと困るな、と思っていたが、二時間半くらいで診てもらえた。
そもそもmは前日から調子が悪く、わたしもアイス持って見舞いに行ったばかりだったんだけど、その時点では熱も下り坂だったし、まさか数時間後におよそ40度まで熱が上がるとは思わないじゃないか。
mはぐったりして黙りこくってるし、これはよほど具合が悪いのだろう、新型インフルだったらどうしよう、などと思っていたら、お医者様はあっさり「胃腸炎の可能性が高いですね」と片付けてくれた。その後、便の形状とかも詳しく尋ねられるmを見ながら、あっ何か今わたしたちの関係すごいレベルまで達しちゃったような気がする、と 思った。便の形状まで知り尽くしちゃってる関係ってすごくね?
mは診断が終わると見違えるように饒舌になっていた。聞くと、以前も胃腸炎で運ばれたことがあり、そのときには苦手な点滴を打たれ脳貧血になったそうで、その恐怖を反芻しかつ再度の衝撃に耐えるべくシミュレーションに余念がなかったらしい。
*
緊急入院するひとのためだろう、救急外来の近くには浴衣やシャンプーなどの自販機なんかもあって、へえ、行き届いてるなあと感心した。入院はしたことないんだよな。
途中で運ばれてきた青年が紙のように白い顔をしていて、なんだか神妙な気分になってしまったのだった。考えてみれば病院って生死が交錯する場だもんね。
とりあえずはよかった、生きててくれてよかった。
と、まあ、大げさだけど思った。
輝くような晴天だが、太陽は空の低いところを這うように移動してなかなか沈まない。と、いうことは、西へ向かっているのだな、とわたしは思う。
時折幻のように現れる平屋は土と枯れ枝で出来た粗末なもので、軒先にはキラリと光るガラス瓶が並ぶ。「あれは、この土地の珍味だそうだよ」と、後ろの席の男が言う。「黒蜥蜴をね、ああやって天日に干して、スープのだしにするんだ」。
延々と続く侘しい風景にたまらず来し方を振り返ると、毒々しいほど紅に染まった雲がもくもくとわき上がっている。
あの場所には夕べが訪れているのだろうか。この真昼はどこまで続くのだろうか。わたしはどこへ行くのだろうか。
バスはとろとろと走り続ける。
②歯を磨いていると、口の中から止めどなく土が出てくる。土は後から後からわたしの口から湧きだしてくるので、歯を磨けば磨くほど口の中は土で溢れてゆく。