ゆめ か うつつ か
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①バスは街を抜け、荒野をとろとろと走っている。
輝くような晴天だが、太陽は空の低いところを這うように移動してなかなか沈まない。と、いうことは、西へ向かっているのだな、とわたしは思う。
時折幻のように現れる平屋は土と枯れ枝で出来た粗末なもので、軒先にはキラリと光るガラス瓶が並ぶ。「あれは、この土地の珍味だそうだよ」と、後ろの席の男が言う。「黒蜥蜴をね、ああやって天日に干して、スープのだしにするんだ」。
延々と続く侘しい風景にたまらず来し方を振り返ると、毒々しいほど紅に染まった雲がもくもくとわき上がっている。
あの場所には夕べが訪れているのだろうか。この真昼はどこまで続くのだろうか。わたしはどこへ行くのだろうか。
バスはとろとろと走り続ける。
②歯を磨いていると、口の中から止めどなく土が出てくる。土は後から後からわたしの口から湧きだしてくるので、歯を磨けば磨くほど口の中は土で溢れてゆく。
輝くような晴天だが、太陽は空の低いところを這うように移動してなかなか沈まない。と、いうことは、西へ向かっているのだな、とわたしは思う。
時折幻のように現れる平屋は土と枯れ枝で出来た粗末なもので、軒先にはキラリと光るガラス瓶が並ぶ。「あれは、この土地の珍味だそうだよ」と、後ろの席の男が言う。「黒蜥蜴をね、ああやって天日に干して、スープのだしにするんだ」。
延々と続く侘しい風景にたまらず来し方を振り返ると、毒々しいほど紅に染まった雲がもくもくとわき上がっている。
あの場所には夕べが訪れているのだろうか。この真昼はどこまで続くのだろうか。わたしはどこへ行くのだろうか。
バスはとろとろと走り続ける。
②歯を磨いていると、口の中から止めどなく土が出てくる。土は後から後からわたしの口から湧きだしてくるので、歯を磨けば磨くほど口の中は土で溢れてゆく。
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