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三泊四日でmと山小屋へ。
七月も終わるのに東京はうだうだと雨雲が居座るなか、避暑というより避湿(気)といったところ。
mが納車二日目にして擦ってしまった車でさっそうと迎えに来てくれたので、かりかり削れた痕も勇ましく、ドライブ出発。軽井沢のアウトレットで、新緑の色の帽子を買う。mの車は赤いので、山の緑によく映えた。
夕食に野菜スープを作って、じゃがいもをまっぷたつにして入れたら「具がでかい」と楽しそうに言われた。ザ・大雑把!
二日目はゆっくり起きて野菜スープの残りをすすり、それから昔Pさんに教えてもらったジェラート屋『エルバード』へ。昔この店を親父に教えたら「おい、『シェヘラザード』なんて店、なかったぞ」と言われた。。なにその高度な間違い方!
純栗やまもりジェラート。mはかぼちゃジェラートを食べていた。
それからでっかい滝を観にいこう、ということになって、車で山道を40分近くえっちらおっちら往く。
途中見かけた田んぼの溝、っていうの?水道。前日までの雨のせいか、ごとんごとんすごい勢いで流れていて、車の中に居ても水音が聞こえるほど。
滝は山の奥にあるらしく、入り口には杖代わりのストックがたくさん置いてあった。ご自由にお使いください、ということらしいが、わたしも山育ち、サンダルひとつで山も登る!と勢い込んで歩き始めたとたん たった今降りてきた、と思しきご夫婦に呼び止められる。
「この先、ぬかるんでるし、急斜面だから、この杖あったほうが絶対いいですよ。
その靴じゃちょっと・・・、」
その靴→
そういうわけでその親切な方々にスキーのストックを譲り受け、大変にシュールな格好で登ったのであるが・・・
結論から言うと、ストックは重くて邪魔なだけだった・・・
急斜面と言っても登れないほどではないし(まあサンダルは敬遠すればよかったと思わなくも無かったけれども)たかだか20分ほどの山登り、わたしもmもインドアなくせにそこそこ運動には自身があるので、きついというほどではなかったな。
滝!ていうか瀑布!
数十メートルはありそう。水は下のほうに来ると細かい煙状になっていて、しっとりと周囲をぬらしていた。
ここまで近づくともう、全身ずぶぬれ。
小学生の頃に一度来たときは、こどもらしい気負いから弟とふたり父と反対方向に進んで迷子になりかけ、滝にはたどり着けなかった。夏の、ものすごく暑い日だった。
この日は霧が上がってきていることもあって、山中からしてひんやりと涼しかったな。誰も居ない山で、誰も見て無くても、滝は落ちている。エライ。
*
わたしはヨミスメとよばれる水を求め、源泉にたどりついた。
透き通るような池に、百合とあじさいがなかば水没するように咲いている。水面に映る花のかげが滲むやわらかな色彩の中で、私は湧き出す水を汲み上げ喉を潤した。
雨が静かに降り出してきていた。
池の奥にある社務所は無人だったが、数匹の犬が寝そべっており、暖かなストーブがたかれていた。犬はどれもおとなしく、わたしには大して関心を示さなかったが、ただ一匹の黒犬が私をみてくんくんと甘えた鳴き声を出した。よく見ると黒犬は極端に狭い円形の檻に釘付けにされているのだった、と言うのは、その腹に鉄格子が刺さっているのだ。わたしはなすすべなく犬の頭をなでるしかなかった。
やがて小雨になったので、わたしは池を過ぎ、ながいながい坂をあがる。わたしの横を滑るように滑らかに自転車が通り抜けて行った。
坂の上は行き止まりの分かれみちになっていて、ステテコ姿のおじさんが街へゆく正しい道を教えてくれた。そうしてわたしはどこか既視感を覚えるその道をずんずん歩いて行った。
その街はひなびた温泉宿といった風情で、ずらりと並んだ屋台のような湯屋の土間には人が集って賭け事や寸劇に興じていた。
わたしはこの街には一度も来たことがないはずのに、そうした情景がなぜかひどく懐かしく思うのだった。
わたしは不意に、mに電話しなければいけないと思う。「黄泉純水」を飲んだよ、と伝えるために。
mがこのほどめでたく免許を(取)得、車も(獲)得た。
意気揚々と迎えに来たmの運転は初心者としては非常に模範的なもので、感心すると同時に感慨深くなる。うーん、保護者の気分。ってまあ、年齢的には間違いなく保護者なんだろうけど。
わたしが初心者の頃ははっきり言って超ド級(関係ないけどこのド級って、戦前の巨大英国戦艦ドレッドノートをしのぐ戦艦、って意味らしいね)に下手くそで、その下手加減はトラック運転手に「ばかやろー死にてーのか!」って罵声を浴びせられるくらいだった、技術の問題もあるけどメンタルが弱くてね、運転の最中にいろんな事故妄想が浮かんで手が汗だらけになるんだよね。。
そんなわたしでも今はどうにか普通くらいには運転できるようになっている。
まあそんなことはどうでもいい。
mおめでとう!
おしごとで朝帰り、昼過ぎに飛び起きて車飛ばしてmにちらっと逢ってから、Gと以前よりから約束してた花火大会へ。
川越で買った夏着物を浴衣代わりに。
白地に黄・青の大ぶりな花柄なので、帯と髪のリボンも黄色でそろえて、白いアンティークバッグ。Gは去年Uニクロで一緒に買った紺色のナカハラジュンイチ浴衣を、赤いすずらんの飾り帯、こないだの良い音の下駄でからころやってきた。
お団子、おにぎり、飲み物なんかを買い込みつつ歩いていたら、どおんという花火の音が、昨日までのどんより空とはうってかわった快晴の、暮れなずむ夏の夕空に威勢良く響いたので、とりあえずその辺の路上にビニール袋などしいて見物にかかる。
後ろにいた高校生くらいの男女のグループが
「なんで『タマヤ~』っていうの?」
→「なんかすごくいい花火のことをそうゆうんじゃね?」
→「なるほど!超タ~マヤ~!!」・「今のはあんまりタマヤじゃなかったね」
などと言い出して、 笑いをかみころすのに必死だった。その発想は無かった!いちおう「『や』は、『屋』らしい」ということにはたどり着いていたけれど。
超タ~マヤ~!
花火でチョーシに乗ってしまったわたしたちは、その後更にプリクラなど撮って帰宅するのであった。
*
ところで今日いきなりわたしの机にアリが大発生していて、まあ理由はたぶん、ベランダで弟が育てているトマトのせいなんだろうけれど、なにげなくぷちんと一匹殺したら、五分後くらいに何十~ものアリがわらわら出てきて思わず飛び退った。こわいよ~こわいよ~集団で生きる種族はだからこわいよ~~。とりあえず虫除けスプレーを部屋中にかけまくったら、私の呼吸が困難になった。ああ。