ゆめ か うつつ か
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ごとんごとん…
電車の中で 立ったまま うつらうつら。
ごとごとん…
ゆられる、
あたしは売られにいく子供。
震える、馬車の中。
あたしは追われる犯罪者。
怯える、汽車の中。
はこばれてゆく…
毎朝、蜘蛛の糸ならでいっぽんの吊り革にすがりつくように目を閉じている、それで天上に昇れるわけではない、ただ自分を地上に立たせてくれるものが欲しい。
毎日同じ景色と仕事、何も生み出さない、見えないものをやりとりする不毛な日々。
ねえあたしにも、ファウストみたいに『時よ止まれ!お前は美しい!』と 叫ぶ日は来るかしら?
「永遠に女性なるもの、われらを天上に引き寄せるなり」
…あたしは女なのに・地上にすらきちんと立っていられないの。
崩壊する足場、とめどなく滑落してゆく。
落ちて行くなら底まで辿り着きたい、いっそ砕けてしまいたい。
ゆられ ゆられて 一駅ごとにゆめみては飛び起きる。
立て続けに十ばかりの夢があたしを通り過ぎてゆく、ものすごい勢いで、全て違う内容のゆめが。
目的の駅に着いたらくたくた、短い時をどれほど濃密に過ごしたのだろう……
……疲れた。
ぐらり、倒れる。
ごとんごとんごとんごとん…
*
前働いていたときは、まいにち こんなかんじだった。
夢と夢の移動ほどにも現実の移動はたやすくはなくて。
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