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ゆめ か うつつ か
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①いばらき・常磐線の道行きにて。がらがらの列車の窓から見える畑に時折こんもりとした杜が見えるのはとても好ましい。飄渺と枯れ果てた畑にこんもりと青く茂る竹林の中、うっそりと白い鳥居が浮かび上がり瞬く間に後方に消え去っていく。消えたかと思うとまた次の杜が現れる。彼方こなたと浮かび消える杜と社にひなびた風情を感じた。土地の老婆が乗り合わせひとしきり姦しかった、彼女らにとってはこの風景も日常である。
 
②水戸で鹿島線に乗換える。ワンマン列車で車掌さんに精算を頼むようだが、勝手が解らずおろおろした。落ち着くと車内には着物を着たご婦人があたたかなひざしにうつらうつら、列車から覗く景色にはのどかな陽の光に紅白の梅があざやかだ。列車は水戸の町を見下ろしてゆるやかに走る。 

③大洗の駅から港まで二十分ほど歩く。港町らしく風が強い。やむなく北海道まで取って置こうと思ったマフラーを取り出した。だって寒いんだもん!時期はずれの港は閑散としており、手続きもあっさり終わった。ついでに帰りの船の予約も取っておいた。外に出ると、作業員がまばらに歩き回っている。信じられないことに彼らは半袖!海の男は違う…と感心。

今は写真の船に無事乗船、出港して三十分くらい経ったところ。甲板から陸の灯を眺めている、夜の海は墨のようにくろく くらい。


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