めめんと

とっても以前にAちゃんからオススメされた「メメント」をようやく観た。

Aちゃんは沖縄出身で、沖縄は台風が多いので、しばしば学校が休校になるそうな。朝、休校のお知らせが来ると「さーじゃあビデオ屋行くかァ！」ってことになって、一日映画三昧。そんな彼女が、友達同士でオススメ映画を持ち寄った鑑賞会に持っていったものの「わかりにくい」と不評だったいわくつきの一品、それが「メメント」。

これジョジョの六部のエピソードに影響したって言う話を聞いてて、機会あったらぜひ観たいと思ってたものだったんだけど機会が無いまま数年を過ごしてた。

時間軸が最新のことから古い方へ、10分ずつ区切られて流れていくので、慣れるまではかなり混乱。だって犯人が殺されると子から始まるんだぜ。どういう動機や物語の流れがあるのかもわからんのだぜ。
ゆえに、冒頭、インスタント写真がどんどん黒くなっていくシーンの印象は抜群。

10分の区切りに入ってる映像が時間軸に沿ったもの（過去→現在：モノクロ）で、映画の流れ（現在→過去：カラー）と融合するあたりで見事などんでん返しがあって、とにかく目が離せない。。記憶障害の主人公の視点を共有してると足元を救われるなあと思ったので、最初から出てくる人物全て、あのモーテルのおっさんまで疑ってたおかげでなんとなく話が見えたけど、それだけに・・・・・・・・・・衝撃的・・・・・・・・・・。

そして一方では何度でも犯人を殺し続け、復讐し続けることの出来る主人公はひょっとしたら幸福なのかなあとか思った。確信犯だよね。今回一番不幸なのはおひとよしのテディってことで。

あたしも夜寝て朝起きるときは夢を媒介として別の世界に行ってるせいか、毎朝、新しい自分に生まれ変わってる気分だし、十年ほど前に記憶喪失になった時はこの世界と自分の連続的な関わりがすっぱり切られてしまって恐ろしかったことを思い出した。もうひとり、別の自分が居たみたいなんだよね。ちょっとSF、ていうかホラーだよね。