忍者ブログ
ゆめ か うつつ か
[988]  [987]  [986]  [985]  [984]  [982]  [981]  [980]  [979]  [978]  [876
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

サリンジャーが亡くなった!!
びっくりした!!!



『薔薇密室』 皆川博子

名前が気に入ったから借りたんだけど、それにしてもわたしはわりとこの人の作品を読んでいるので、そろそろ別に項目立てたほうがいいのかなあと思い出した。でも項目作ると作品全部網羅したくなっちゃうんだよね。そこまでではない。
〔物語〕
①第一次大戦中、元僧院にて脱走兵コンラートと、博士の薔薇と人間の融合実験物語(男娼ヨリンゲルと、落馬してオーディンと名づけられた美貌の少尉)、梅毒の実験記録書『ヴィーナスの病~』という手記
②第二次大戦中のポーランド、少女ミルカと年を取らない少年ユーリクの物語。ナチス支配が深まるなか、二人は別れ別れになりミルカはドイツ人撮影技師ナタニエルのもとへ、ユーリクは薔薇の僧院へ。

別々の場所で、ヴィーナス~の本が、異なる人物を繋げる推理もの。ガス発生装置のトリックは申し訳程度だが人物相関の謎がソソる。ナタニエルがキーパーソンのくせに、何を考えてるか全然わかんなくてちょっと魅力不足かな。ラストのほうはけっこう筋がよめてしまうけれども、視覚的に読むといいんじゃないかな、耽美的で。



『分別と多感』 ジェイン・オースティン

岩波文庫のものをば。相当以前、知人に『高慢と偏見』をオススメされたが手に取ったことは無かったのを思い出してとりあえずその横にあった同じ作者の別の作品を(あまんじゃく)。
〔あらすじ〕分別の勝った姉エリナーと情熱的な妹マリアンのそれぞれの恋。姉は控えめなエドワードと、妹は自分に想いを寄せ穏やかで誠実な大佐を嫌い、美貌のウィロビーに恋するが……?
〔感想〕最後まで恋模様がどうなるのかわからないんだけど、全てがお約束的な大団円というわけでもなく……ひとことでいって、とても、リアル。人間観察が鋭くて、とくに、嫌な人間のタイプがやけに詳しい。いるいるこういうやな人間!と思う。あと、どっちかとゆうと多感に針がふれている私としては、エリナーの鉄の分別にただただスゲー!ってかんじ。なんつうか、道徳書読んでるみたいな気分になった。こころただしくおこないきよく、でしゃばらず、なにごとも控えめな人間が最後に笑うのよ、みたいな。紙のごとく軽薄であれとはゆわないが、なんかもっと・・・・・・ちょうどよい人物はおらんのか!ってかんじ。笑。



『誘拐』 G・マルケス

1990年頃のコロンビアで起きた連続ジャーナリスト誘拐事件のルポ。
半ばすぎまで読んで、そもそも何を狙った誘拐なのか、当時のコロンビアの国政や主要人物がようやく頭に入った。自然、ページにかける集中力も相当必要で、読むのに体力が無いと辛いなあと思った。

パブロ・エスコバル(コロンビアの麻薬組織のボス)
VS
ガビリアコロンビア大統領

となるはずの図式が、大統領がエスコバルの減刑要求をのまず、攻撃的な捜査をしたために、コロンビアの国民感情に影響の高いジャーナリストを次々誘拐した、その人質の家族が、エスコバルの要求と大統領の間をとりもち、人質が解放されるまでの話。

主眼となってレポートされたのは政治家ビヤミサルの妻、マルーハ・パチョンと、ビヤミサルの妹ベアトリスの誘拐(このふたりは生きたまま解放される)で、他重要人物は前大統領の娘でテレビプロデューサーのディアナとそのグループ、新聞記者のパチョなど。どうでもいいけどこのあたり、身内びいきの特権階級が築き上げられているのはいかにも南米らしい と訳者もゆっていたが、やっぱ少しきになった。

いちはやく犠牲となって殺されたマリーナの狂気のさまや気高い死に顔、解放時に味方によって射殺されたディアナを悼む母親のくだりは、涙無しには読めない。そして人質の家族がはかりしれない忍耐と努力で大統領に説得をこころみる間に、エスコバルとの奇妙な信頼関係が生まれていくあたりは興味深かった。エスコバルが人質の解放にひきかえ、自分の身柄を引き渡すシーンで、ビヤミサルと話すシーンは圧巻。それだけに、その後エスコバルのたどった運命(脱走、無駄に終わった助命嘆願、射殺)が哀しかった。

犯人への交渉には、自分と犯人の間に、双方の信頼を得ている第三者を立てるとよいこと。

マルーハとベアトリスの監禁は規則ずくめで辛そうだったな。小声でしゃべることを強制されていたために、その癖が解放後もなかなか抜けなかったらしい。いっそコミカルに思えたのは、監禁している見張りの人々の描写だった。クリスマスのケーキを用意したり、プレゼントを持ってきたり。彼女たちの世話をしていた夫婦の妻ダマリスときたら、覆面にミニスカートという出で立ちでいつも食事を運んでくるのだから。

タイトルは、ビヤミサルとマルーハの夫婦関係についての至言。





メモとっといたのはそんくらいかな、あとブルトンの黒いユーモア選集とかマンディアルグの短編集(「ダイアモンド」目当てに買ったんだけど「石の女」ってのが面白くてよかったよファムファタール)とか遠藤周作を何点か読んだ、エッセーとか含めて。やっぱ海と毒薬がすき。深い河はそうでもない。漫画はすぎうらひなこさんとかつげ義春集めたりとかmに薦められて読んだ『かぶく者』が存外面白くて歌舞伎に目覚めそうだとかそんくれえ。恋四郎さまがキャラクターとしてよすぎる。『軍鶏』かいた人だったんだね、びっくりした!

 

PR
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
フリーエリア
最新コメント
最新トラックバック
プロフィール
HN:
ryu
性別:
女性
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
忍者ブログ [PR]