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ゆめ か うつつ か
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読んでるよもちろん!

U・エーコ『カントとカモノハシ』 三度目の読了。初めて読んだのが2003年だからけっこう読み返してるほう?言語学は面白いけど、面白いと感じさせてるのはエーコの才能だな。例えがわかりやすいんだよね、すんなり入っていける。経験的ケースと文化的ケースの説明に大天使ガブリエルの物語をもってくるとか…(神がガブリエルにマリアへの伝言を頼んだが、知らない街の知らない人をどうやって探しだすことができたかという話)。あたしが好きなのは五歳のコドモが「水」を知らない人に「水」を説明する「ピンコの物語」、ナンシーは分析哲学者と結婚したがっている=ナンシーは何を望んでいるのかの話とか・

サルトル『水入らず』  「壁」が一番面白かった、ていうか分かりやすかった。『嘔吐』もそうだけど長いのは読む気しない。銃殺される直前で愛も友情も死んでしまう瞬間、「わたしは孤独だ」「わたしの今の状態では、たとえ無事に家に帰ってよい、いのちは助けてやると知らされても平気だろう。何時間か待つのも何年か待つのもおなじことだ。不滅であるという錯覚をうしなってしまったうえは。わたしは何物にも執着はなかった。」この感覚はわりと毎晩あたしが思い返しているところのもので、実存主義ってなんなのかあたしにはよくわかってなかったけど、現実の絶望を超えたところにあるもの、それをみつめること なら 一瞬たりとも忘れた事はない。忘れ得たことはない。答えは得られずとも。むしろ多分あたしの日々の営みはそれを忘れるためにあるのだ。

あとは横溝の短編集とかフォークナーに挑戦中。従兄弟同士の愛憎劇を描いた「鬼火」は諏訪が舞台でちょっと懐かしかった、高校卒業したときに友達と三人で旅行したんだったそういえば。あと「丹夫人の化粧台」も、化粧台に少年を飼う趣向がなかなか、常軌を逸したオチでよかった。

エーコとかサルトルは読むべきではなかった。本に限らず何かしら面白い物事、感動的ことっていうのはあたしの中ですぐに反応・反復・再生産されてしまう、すなわち ああ・書・き・た・い!

 

 

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