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ゆめ か うつつ か
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マルグリット・デュラス/平岡篤頼訳
「木立の中の日々」 いわゆる今で言うニート、のジャックの母がパリにやってくる。母は同居人(つうか恋人)マルセルとどうしようもない生活を送っているのをみる。働かない。金は嫌いだから、と嘯いてバーで名前のない仕事(ホスト)をやるジャック。うーん途中までとてもおとーとを髣髴とさせる…
「 ボア」 毎週日曜日に動物園で大蛇の嚥下(デヴォラシオン)と老嬢の裸(悔恨に飲み込まれる;嚥下)を見せられる少女の話。きもちわるい。そこがいい。

井伏鱒二
『白鳥の歌/貝の音』 マトモに読んでるのは白鳥の歌だけだけど。
なんか借金のかたに劇団に置いてかれた女形の梧桐が語り手にチェーホフの「白鳥の歌」の改編を頼んだけど結局夜逃げして…とかいうたあいもないエセーだった。
殴られた梧桐(女形、っつうかオカマ)のけらけらと笑う声が聞こえてきそうで眩暈がした。

ドナルド・バーセルミ/柳瀬尚紀訳
『王 the king』  アーサー王物語が!アーサー王物語が!こんなふうに!解釈されるなんて!只者じゃない!バーセルミ!やけに皮肉っぽい登場人物が!やけに俗っぽい登場人物が!リアルに書かれて!現実のイギリス王室への皮肉も書かれて!

…とまあこんなふうだったり、諧謔的だったり。バーセルミ好きだ。

内田百間
『御馳走帖』
戦時下、食べたいものを列記しただけの簡潔なエセー。久々に読み返したけどやっぱり面白い。
アイスクリームは食べるか飲むかと問われたらば、やはり食べるのだと思いますよ。煙草は二十歳を過ぎてからだとも思いますよ。

小川博編 瀛涯勝覧
『中国人の南方見聞録』
吉川弘文館 / 明代馬歓の撰したものの翻訳と注解。
今日の東南アジア・インド洋・ペルシア湾からアフリカ東岸への海路遠征など。地図辿るだけでも面白い。

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