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ゆめ か うつつ か
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母に誘われ、「漱石の美術世界展」に行ってきた。漱石は実家に全集があったので、ひととおり読んだつもり。

よく「○○世紀の美術」というタイトルの美術展はあるけど、文学者をフューチャーした美術展って珍しい。総合芸術的な見地、なのかな?と勝手に深読み。

構成は①漱石の作品に出てくる美術品②漱石の幼年期に身近だった日本美術③漱石に関わりのあった芸術家の作品④漱石の作品となっていて、漱石好きにとっては至れり尽くせりの展示。

ただ、美術史の系統に沿ってるわけでないから、作品集めるの難しかったんだろうなあ。ミレイのオフェリアは写真だったし、そのほかも何点か写真が。とはいえ、シャロットの女や人魚の絵は良かった。

『虞美人草』のラストに出てくる屏風など、わざわざ今の画家に依頼して描かせてるものもあり。描き手が誰かより、誰が、なぜその描き手を選んだのかの方が気になった。どうやら依頼人は芸大美術館の准教授らしいが、どうしてその描き手を選んだのか。漱石好きな絵描きだったのか? もしそうなら同人的な二次創作じゃん、とか思ったが、まあ単に頼みやすかったから頼んだんだろう。

漱石自筆の絵は……まあ……線へろへろの、いかにも素人。だが会場にいた元・文学少女の老婦人たちは「なんて素晴らしい絵!」「漱石って何でも出来るスーパーマンだったのね!」などと感極まっており、そりゃ崇拝しすぎじゃねーのとツッコミを入れたくなった。

ようは、文学は網羅してても絵はあまり分からない人たちがわりと居たんでは、とわたしは思う。近代日本美術の展示は足早に通り過ぎても、漱石自筆の展示では一文字一文字、じっくり見てる人が多かったし。画家メインの展示だと逆だよね。絵の方に重点が置かれる。

言ってみれば漱石好き集まれ!って感じの展示だった。好きな人ならすごい楽しめる、でもこれ真の意味で美術展かと言われたらちょっと怪しい。だからこそタイトルが「夏目漱石の美術世界展」なんだろね。

言うなれば漱石の作品を理解するための美術展、先に文学ありきの展示。つまりはちょっと大掛かりで贅沢な「夏目漱石文学記念館」だと理解した。








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