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ゆめ か うつつ か
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さてわたしは27になるまで、あらかじめ与えられていた自らの身内を覗き、人生に自分以外の他人を容れるつもりはなかった。

何度かお付き合いらしきものはしたが、いざ継続した関係を築かねばならぬ段になるとうんざりしていることに気づくので、到底付き合い続けること、引いては結婚など考えられなかったのだ。相手が悪いのではない。二、三の親しい友人を別として、わたしは誰かといると必ず、ひとりで居るよりもはるかに強い孤独に苛まれるという性があった。それで結局、ひとりでいたほうがましという結論になった。

はじめから終わりまで自分だけの人生を生きる覚悟を決めたらいろいろ楽になった、一生独りでいると決めてしまえば複雑なことはなにもない。就職についてもさほど悩まないで良くなった、自分ひとりなら何をしても食えるだろうし、食えなくなったら死ぬだけで、家族が不要ということは墓も、悼んでくれる存在も不要だからだ。なるべくシンプルに、日々飯を食い糞をひり、こころ穏やかにのたれ死にたい。

そう決意したのが二十代のはじめで、次第にすべてを放棄しつつ余生を生きようとしていた矢先、わたしは、思いがけず恋に落ちた。たちの悪い冗談みたいだが本当の話だ。ここまでくると恋はむしろ落とし穴、災厄に近い。取り返しのつかない愚かしさや思い込み、一生背負うであろう業や、絶望的に面倒くさいもろもろの手続きやらを考えると未だにかるく死にたくなるが、しかしまあそれも含めて恋だ。


つくづく人生は容赦ねぇなと思う。思い通りにはいかない、読めない、わからない。ちきしょう、おもしれえな。
















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