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犬は私が帰るとまずは上目づかいに「不審者でない」ことを確認し、「美味しいもの持ってない」「散歩でもない」「帰ってきただけ」ということを確認していたので私はちらりと一瞥をくれてやり、時に気が向けば頭をひとなでもしてやっていた、それは習慣であり惰性だから愛ではない。ただどうしようもなくひきつり痛む、記憶に刻まれた傷のような。
何が哀しいのだろう、もう居ないこと?もう居ないから優しくしてあげられないこと?生きてる時に優しくしてあげられなかったからという後悔ゆえ?
いまさら。
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幸せであることに卑屈になる必要は無い、不幸であることがなんら誇ることではないように。
生きてるだけで大罪を犯してるような気分になるのは何でだろ、罪悪感にうちのめされるんだ、カフカの『城』みたいにいつか突然身に覚えの無い罪で処刑されてしまっても唯々として従ってしまいそうに。
そう、でも、直接間接問わず 多くの犠牲のもとにわたしの命が成り立ってるから、だから幸せでなきゃいけないのだとも思う、その価値も無いのにそうならなければならないというプレッシャー。
幸せは見つめるものではない、なのについそれを観察しようとしてしまうのでなかなか、幸せになれない。
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読んでるか書いてるか落ち込んでるか の三つがわたしの基本的な行動パターンで、これに寝るとか食べるとか料理を作るという項目が入って日常が成り立っている。
中国史・イタリア史・アラビア史(要するにシルクロード)に目がないあたしにとってはいつか訪れねばなるまい!と密かに決意していた場所。
結論から言えば、駅から遠くていささか行きにくいところ及び入場料がやや高い(800円)という点を除けば申し分なかった!リピーターになりたい!
常設展の他、特別展(今回は陶器)に出光美術館の所蔵品展示まであるし、曜日によって本格アラビアコーヒーの試飲やパピルス作りが楽しめる!近くにあったら通うのになぁ。三鷹・武蔵野市民は入場料百円になるらしく、本気でうらやんだ。
黒サギ(トト神)のミイラにパルミラのレリーフ、プルシアブルーや金色釉もまばゆいアスターグラス。
それにつけても東大が発掘した三千年前の墓所(復元)はでかかった!葬られていたのは戦士かな、とりあえず古代オリエント好きは行っておいて損は無い。
…写真はアケメネス朝ペルシャの印章ストラップ(レプリカ)。アフラマズダ神とグリフォンが彫られている。東洋のはんこと違って、朱肉を使わず 柔らかい粘土にごろごろ転がして模様をつけるのだって。
印が使われるのは主に約束事、というのは変わらないみたいで、役所の記録や商談内容の上からマイ印章を押したのだそう。貴石・宝石を使って、ふたつとないデザインだったらしい。古代流お洒落。
最近作った料理、アタリだったもの
・豚肉のほうれんそうチーズ巻き
・冬瓜と肉団子のスープ
・茄子とトマトのラタトゥイユもどき
・あんかけチャーハン
・長いもとんぶりサラダ
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最近読んだ本、アタリハズレ問わず
谷崎潤一郎 『犯罪小説集』
「白昼鬼語」描写の丁寧さにつきる。美女に絞め殺されたい願望。まとめ方も意外性あり。
わたしの好みは「途上」、ある日突然自分の旧悪を暴かれる。デジャビュ。
「柳湯~」はぬるぬるしたものに執着する青年の描き方がきもい。きもいと思わせたもん勝ち。
いずれにせよマゾい。
『卍』 画学校で出会った美しい少女光子と人妻園子の愛。二人の関係に園子の夫が加わり、三人心中を企てるが……
まずひとこと。よみにきい!全編大阪弁だからかな、土地勘も無いし。新潮文庫は註がついてるのがかえってめんどくさくなってる。
真昼、光子を裸にして観音の格好させるところがあやしくて好き。綿貫や園子の夫含め、ぬきさしならない三角関係にもちこむのが光子のやり方で……最後に裏切るけど、光子の魔性を一番よく分かってたのはお手伝いの梅だったんだろね。
ずるずると引き込まれて行く泥沼感はともかく、園子の夫のキャラがいまいちよくわかんないまま、なだれるようにラストだった。でも後味はそんなに悪くないのはやっぱり全編大阪弁だからか?
大下宇陀児 『金色藻』
駆け出しの新聞記者葦田がたまたま傍聴していた裁判の被告人が射殺される。殺された男が盗みに入ったのは人気女優の家で、彼女に手がかりがあるという密告があったものの、密告した男も失踪し……
途中からもろにあやしい人物が最後まで怪しかったすなわち犯人だったガーン!
そういうわけでトリックとかそういうのは特に面白いとこなし。主人公とヒロインの志津子ちゃんのカップルはかわいいけど正直言って読んで「へええ」って思ったのはタイトルの黄金藻の由来、「海水には黄金が溶け込んでいる」という科学的知識のみだった。信じちゃったけどこれ合ってるの??大下さんはもと理系だったらしいからこういうとこはもっともらしいよね。。
あと横溝正史の初期短編集『空蝉処女』も読んだ、戦時中の短編はやっぱりお国のために的なフレーズが出てきてわりと弱った。横溝は戦後なって本格ミステリを目指したって言うけどそんなかんじ、トリックよりも雰囲気的な部分が巧いような。
遠藤周作の『王妃マリー・アントワネット』もようやく読んだ。高校のときに友人に薦められていまだ読んでなかったやつ。うーんどうなんだろう 同じ歴史ものなら戦国もののほうが好きかな……。アントワネットと対照的な少女マルグリットを描くことによって対比してるのはわかった、でも見せ方が……カリオストロやらサドやら話題性たっぷりだから出したいのはわかるけど、いささか出しすぎではあるまいか。あんな強烈な人物に次々出会わないんじゃねえの?そしてまさかのシャルロット・コルデ。。あれは無いわー……
でもそうだな 中学のときに読んだらうっかり信じちゃうかもしれない。
柳田の『桃太郎の誕生』はいずれ欲しい。
フウセンウオ。愛嬌のある顔をしている。
発光するイソギンチャク。
展示はこぢんまりしているけれど、屋内プールでのイルカショーとアシカショーが見ごたえあり。ライブのショーはいいよね。特にイルカショーの司会兼盛り上げ役のイルカ応援団のみなさまの衣装及びテンションは一見の価値有り!
イルカかわいかったなー。尾ひれだけ水面に出してバイバーイってやってるの、愛らしすぎる。動物アレルギーになってしまったせいで、わたしの触れる哺乳類は人間とイルカ・クジラのみなんだよなあ。ちえ。『イルカと一緒に泳ぐ』というのは憧れのシチュエーションなんだけど、いつか叶えたい。
この水族館にはしじゅう横に寝ているマンボウがいるのだけど、Yさんいわくマンボウはふつう大海原にいるせいで、水族館の狭いケースの中ではガラス壁にごんごん衝突して死んでしまうんだって。だからマンボウのケースのまわりには網が張られているらしい。
網の中でひとりぼっちって、すごく寂しそうだなあと思った。何考えてるんだろうなあ。海に帰りたいとか思ってんのかなあ。それとも案外、外敵もなくて安全でらくちんだって思ってるかもしれない。
イルカショー観てておもったんだけど、イルカがサーカスの動物達よりもずっと人間と意思疎通してるような気がして、それは水の中と陸の上っていう違いかなって思った。水中じゃ人間よりずっと素早く動けるし、あまり怖いって思わないんじゃないかな。大体イルカの見世物って鞭を使わないよね。ご褒美はあげるけど。サーカスの動物達はみんな鞭に怯えていたから、そのへんの違いかしらとか。
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品川なんてめったに来ないので、ついでに味の素研修センターにある「食と暮らしの小さな博物館」にも足を延ばしてみた。無料。
常設展示は戦後以降の日本文化のあゆみ(主に台所)を中心に、特別展示は錦絵にみる日本の食文化ということで、四角く切られたスイカの見本が山盛りになってたり、東海道の名産品を紹介したり、花見弁当の再現をしたり(うまそうだった!)なかなか面白かった。スペースは小さかったけど。
それから古書店をひやかしたり、渋谷のロクシタンカフェ(たけえ!)で休んだり新宿でオムレツを食べたりして帰宅。遠藤周作の話とかダニの話とかいろいろ面白かったありがとうYさん!
……人間の毛穴には必ずダニが寄生しているなんて知らなかったよ……ショック!
プラス1の名前が決まってしまった。いや、決まって良かったけど、とても可愛い名前なんだけど、以前わたしがその名前をモチーフに創作したことがあってそのことを言いそびれたままなんだよね。。
ま いっか 可愛いし。
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こんなんで動くのか?って思うくらいちいちゃな、でもきれいに爪も整った指とか見てると崇高な思いに駆られる。
小さいころ虫採りしたときにも思ったなあ、こんなに小さいのに何もかも機関が備わってて動いてるすなわち生きてるってすごい。蝶やら蟻やら気持ち悪いとも思わず接してたけど、生命というものへの本能的な興味からだったと考えれば納得できる。
眠る・食べる(飲む)・泣くしかしてない、人生を極限まで集約してんなあとか思う。