ゆめ か うつつ か
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隣の間にあるテレビでは、猟奇殺人事件の報ばかりを伝えている。
「……市の民家の一室で発見されたバラバラ死体は、行方不明の高校生男子三名のものと判明しました。遺体は損傷が激しく…」
不意に寝苦しさを覚え私は半身を起こした、夕闇にかすむ壁の模様は浮かんでは消え、消えてはまた浮かび上がり私を幻惑する。
「一家の留守をねらい忍び込んだ少年達の間での凶行とみられ、」
おや、と私は奇妙なことを思った。この部屋は立て替える前の間取りだったのではないかしら?
そうそう、あの障子、和風の木目天井、畳もふすまも何もかも…
ふ とテレビの音が消えた。静寂の中、どこからかばりばりと何かが突き崩されるような音が聞こえる。
あの音は何だろうと障子に目をやると白い紙にぽつりと浮かんだ小さな黒点がじわじわと大きな染みになっていく。西日に照らされ紅く染まったそれが血のしみだと気づくなり私は障子を開け放った、飛び散った肉片、乾いても生々しい血だまり、ばりばりと屍にむらがる小蟲…
背骨を冷たい手で掴まれたような心からの悪寒を感じながら私は、 その猟奇殺人 は今から十年ほど前に、私が居る今 この部屋で 行われたのだと思い出し…
一刹那の後、部屋は何事もなかったかのように 元の様子に立ち返っていた。
*
久々になまなましい悪夢をみた。
「……市の民家の一室で発見されたバラバラ死体は、行方不明の高校生男子三名のものと判明しました。遺体は損傷が激しく…」
不意に寝苦しさを覚え私は半身を起こした、夕闇にかすむ壁の模様は浮かんでは消え、消えてはまた浮かび上がり私を幻惑する。
「一家の留守をねらい忍び込んだ少年達の間での凶行とみられ、」
おや、と私は奇妙なことを思った。この部屋は立て替える前の間取りだったのではないかしら?
そうそう、あの障子、和風の木目天井、畳もふすまも何もかも…
ふ とテレビの音が消えた。静寂の中、どこからかばりばりと何かが突き崩されるような音が聞こえる。
あの音は何だろうと障子に目をやると白い紙にぽつりと浮かんだ小さな黒点がじわじわと大きな染みになっていく。西日に照らされ紅く染まったそれが血のしみだと気づくなり私は障子を開け放った、飛び散った肉片、乾いても生々しい血だまり、ばりばりと屍にむらがる小蟲…
背骨を冷たい手で掴まれたような心からの悪寒を感じながら私は、 その猟奇殺人 は今から十年ほど前に、私が居る今 この部屋で 行われたのだと思い出し…
一刹那の後、部屋は何事もなかったかのように 元の様子に立ち返っていた。
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久々になまなましい悪夢をみた。
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