[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
不意に時間ができたので、久々にひとりドライブに興ずることにした。
ここんとこ雨がちだった空も久々にお天気で、初めは、よーし気合入れて富士山とか行っちゃおうかなー、などと思っていたのだが、せっかくなので、ひとりでしか行けない場所に行ってみることにした。
この場合の『ひとりでしか行けない場所』というのは『他人を誘うにはちょっと気のひける場所』という意味。わたしにはそんな、名だたる観光地ではないけれど、ちょっと訪ねてみたい場所というのがけっこうある。
そういうわけで、わざわざ人を誘い合わせていくまでには及ばない地味なとこなんだけど、どうしても一度は行っておきたいそんな場所
↓↓↓
吉見百穴。
埼玉県比企郡吉見町にある横穴墓群、つまり、古代人のお墓。
以前このあたりを通りかかった際、看板を見かけてからなんとなく気になっていたスポット。学生時代、人類学の講義でききかじった坪井先生(百穴を発掘したひと。えらい学者)とコロポックル論争(おおまかに言うと日本の先住民族はコロポックルだとゆー仮説)を懐かしく思い出して。だがまあしかし、多分、穴がいっぱい空いてるだけの場所なんだろうな、と思って行ったら、それだけではなかった。
軍需工場跡地もあるよ!
戦時中は洞穴を掘り広げ、軍需工場として使っていたらしく、その遺構も残っていた。雰囲気があってこっちのほうがわたし好み。売店のおじさんいわく、以前はもっと深くまで見せていたが、観光客が面白がって入り込んでしまうので現在は入り口近くで封鎖してあるとのこと。見せてもらった全体図は、確かにそうとう深かった。
「スピッツが来ました。」ええええー!
PV撮ってったらしい。軍需工場とスピッツまさかのコラボに、吹いた。
百穴敷地内のお土産やさんに、発掘当時(百年ほど前)の写真が飾られていたんだけど、穴の前でかっこつけてる書生風の写真が。このポーズ、可愛いなー、と思って見ていると。
「あ それが坪井正五郎さんですよ」
か…可愛い!!
当時帝大(今の東大)の大学院生、というと、20代後半くらいだろか。昔はそんくらいで大規模な発掘とかしちゃえたんか……にしても「えっへん!」てかんじ。発掘うまくいって嬉しかったんだろうね、よかったね。
そしておじさん、写真撮らせてくれてどうもありがとう。
ちなみに文化財センターにおられた坪井先生。もうこの路線で行くことにしたらしい。かわいいぞ!!個人的にそこまで好きではなかったけど坪井さん。。
明治大正昭和初期あたりの人類学・民俗学周辺漫画があったら絶対面白いと思うんだけどな!
*
そして今回の(私的)メインイベント。
岩窟ホテル。
B級スポットとしては知るひとぞ知る有名スポットなんだけど、吉見百穴に対抗(?)していち農民の方がノミを使ってほりあげたなんちゃって百穴。
ホテルというからには宿泊施設として繁盛したのかとおもいきや、その名前の由来は
「ありゃ、あの人は岩窟掘ってるだ」→「岩窟掘ってる?」→「岩窟ホテル」(吉見町の公式HP参照)
という脱力っぷり。
現在は崩落の危険があるので内部は見られないけれど、フェンス越しにもそこはかとなくバルコニーの跡などが見受けられるあたり、往古はさぞかし洒落たたたずまいであったのだろうな、と夢想。
洋の東西を問わず、こういう変人さん、ステキだよね。(*西洋の変人代表:郵便配達夫シュヴァル)
……やっぱり、他人は誘いづらいな。
それにしてもえらくわかりにくい場所にあった。ナビのない車で行ったので、ぐるぐる回っちゃったよ。
予想外に景色がよくて、百穴前の川の趣は、思わず車を停めて散策したいほど。桜の頃はたくさん人が来るそうで、それも納得の気持ちよさ。ステキな町だなー、と思った。