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近くのショッピングモールをぶらついていたら、とあるシルバーアクセサリーのお店で「お姉さん、もしかして昔、教育実習やったことありますか?」といわれた。ビンゴ!で、元教え子だった。
教育実習やら塾講やら家庭教師やら教室アシスタントやら、学生時代教育関係に縁があった関連で、数年前くらいまで元教え子から声をかけられるのはめずらしくなかった。どうもわたしはどこへ行っても、小学校でも中学校でも高校でも、教師というよりは「話が面白い近所のおねーさん」くらいの扱いで、だから教育実習ではご法度の生徒とのメルアド交換も2、3やっちまったし、自分のそういうところがあまり教師に向いていないと自覚したので教職を見送ったくらいだ。
(誤解のないように言っておくと、メルアドを交換したのはもっぱら実習中に悩み相談を受けた女子で、なんだか自分の通ってきた路だなあ、つらそうだなあ、まあ何とかなるよ、少なくともわたしは何とかなったよなどとうだうだ返事にもならないようなことを呟いただけだったので、なんら犯罪性はないはず、と自負してはいる。)
ただやはり、わたしの授業が面白かったから覚えていたと言われたら、とても嬉しいではないの。
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中学の実習でわたしの担当になったベテラン教師とわたしは最初から対立してしまい、アカハラとまではゆかずとも、わたしはけっこう苛められたほうだと思う。放課後、夜十時ちかくまで数時間延々と黒板を書かされたりもした。確かにわたしは字も汚いし、授業も手馴れていなかったがしかし、毎回生徒の目の前で間違いを指摘・証明することはなかったんではないかと今でも時々うらみに思うときがある。救いだったのは生徒たちが全面的にわたしに同情的だったところだ。「先生かわいそう」とみんな優しくしてくれた、教育実習にまつわる話はいろいろあるけどこういうパターンは実際珍しいほうだったんではないだろか。
あれからだいぶたって、教え子は立派に社会へと羽ばたき、わたしは相変わらずかろうじて社会にしがみついている、彼我の距離を思うと感慨深くなった。