[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
初めて「しゃっぽ」という言葉に出会ったのは新美南吉の「てぶくろを買いに」で、宮沢賢治の童話や三島由紀夫の短編なんかでもときどき出てきていた、それでわたしは帽子のことを「しゃっぽ」ともいうのだと知った。
それがフランス語経由だというのを知ったのはいつだったか覚えていないが、怪盗ルパンシリーズにはまっていた頃だった気がする。
(ちなみにわたしはルパンシリーズのおかげで、小学生にしてフランスの全国紙は「ル・モンド」、ポピュラー車は「シトロエン」、「さよなら」を言うにも「オールボワール」と「アデュー」の違いがわかるようになったので、コドモ向け読書もあながちバカにはできない)
・・・・それで、この「しゃっぽ」だが、弟にはさんざんこきおろされた。
弟「日本人ってすぐフランス語の単語に小さな『つ』を付けたがるけどさー、
フランス語の発音にそんな音はねーんだよ!」
ようするに仏語には促音がないらしく、「しゃっぽ」も正しくは「しゃぽー」だという。まあその場は「へー そうなんだー」くらいに思っていたが、ふとしたことから職場でその話をしていたら、福島出身のワカモノが
「俺のじいちゃん使ってますよ! しゃっぽ!」
などと言う。これは大変に驚いた。
わたしにとって「しゃっぽ」は書物のなかの言葉、いわゆる「文語」であって、いまだ話し言葉で使われているとは思っても見なかったんだけど。でも、しかし、ちょっと調べてみたらけっこう「生きた言葉」なのね、しゃっぽ。主に東北~北海道で方言として使われているみたい。なるほど、だから福島では現役なのか。
ちなみにものごとがダメになるという意味の言葉、「ぽしゃる」も、「しゃっぽを脱ぐ=脱帽、降参」から来ていると知って、これは正直にびっくりした。なんとなく語感で意味を判断していたけど、ちゃんと由来があったのね。
しかし日本人ってひっくり返すの好きだねえ、「はまぐり」→「ぐれはま」→「グレる」とか、「ギロッポンでシースー」(笑)とか。。