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ゆめ か うつつ か
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参道に居た三羽の烏。 




速玉新宮で三社コンプリート! 

…佐藤春夫記念館が併設されてて、実はそっちが目当てだった。
邸宅を移築したそうで、大正風のモダンなつくりに扉には帆船のモチーフが付いた、すごくかわいいお家。それだけでも楽しめるけど、殉情詩集の初版やら春夫の自筆の絵やら観れて大満足!狭いところが好きだったとか、やたら雑多な人だったとか、物語を書く前に全部話しちゃう人だったとかいう春夫エピソードにも何やら親近感…あたしも大概芥川より佐藤春夫派。。 


* 


熊野三社は那智大社と本宮と速玉大社の三つ、それぞれ離れた場所にある。
特に本宮は、新宮からバスで往復三時間の山奥にあって、交通上の手段が厳しい。那智駅は昼間、二時間に一本しか電車が無いし。それは以前那智を訪れたことのあるIさんに話を聞いていたので(もちろんツアーに参加すれば簡単に回れるけど何せ高いし一人でツアーに参加するほど寂しいことはない)、最初からコンプリートは狙っていなかったのだけど…
那智からの帰り、案の定バスを逃して三十分ほど雨の中を待っている間に何気なくバス運転手さんと話していたら、「本宮に行くの?じゃあこの後のバスを那智駅で乗り換えて、さらに新宮高校前で降りて土河屋行きのバスに乗りなさい、今のタイミングなら乗り継ぎが全て五~十分くらいだよ」と事細かに教えて下さった。
それで何と午後四時には三社の観光を全て終えてしまった。
 
…ガイドブックには二日かかるって書いてあるけど・やればできるんだなァ…かなりゆっくり観れたし、待ち時間のストレスが全くなかった。今日はかなり降ってたからこれは嬉しい。。
やっぱり地元の人、しかも交通関係の人は、時刻表が全て頭に入ってるから強いなあ~

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参道と本宮。 

雨がひどかったんだけど、靄が出て風情としてはこの上ない感じ。境内も静謐で、全体に神さびた雰囲気が堪らない。 伊勢の華やかさに比べて、こっちはよりストイックなイメージ。 



熊野午王の誓紙。
江戸期に遊女と客の念書に使われて、高杉晋作が歌にしてるアレだけど、あたしはこの神の遣いである「三本足の烏」がやたら気に入っていてねえ。もちろん一枚入手してきた。カラス文字がお洒落ですらある。裏に願いごとを書いて誓いを立てると願いが叶うらしいけど、あたしの誓いなんてすぐ破られてたちどころに三羽の烏が死にそうだ。。 



熊野名物、詣で餅とお抹茶。餅は麦焦がしの味。 




熊野古道をちらっとだけ散策。天気がもっと良ければゆっくり歩いてみたかったな。 


* 


熊野川は雨で濁ってきれいな青と透明の二色に別れていて、その向こうに雲に巻かれた山がいくつもいくつも、溶け込むように続いていた。
どこかで見たなあ、と思って、ああ、青森だ、と合点した。
これなら神くらい居るかもしれん、と思わせる山の神々しさ、たなびく雲に白くけむる青い山。
文化の中心、絢爛たる京都から歩いて来れるところなのに文化と隔絶されたような静寂さを誇る紀州、奥が深い。



ショックだったこと。
熊野で初めて見た修験者が、




だった…



朝から雨で、明るい紀州は持ち越し。

那智駅で降りたのはあたし一人で、無人駅には蟹が這っていた。
遠野は駅長が河童だったが、熊野那智の駅長は蟹かもしれない。
外はざんざん降りで、烏が何羽か雨宿りする中をバスに乗って那智山へ。 



バス停かわいい!烏のかたち。



那智の大滝。
ちょうど雨がひどくなったころで、周りに誰も居らず幽暝な感じ。とどまることなく絶えることない流れ。 



滝から寺社方面へ、石段に滑りながら移動。大木と霧に囲まれてひとりきり、ちょっと異世界。 
長コートを着て行って寒さはしのげたんだけど 水を含んでやたら体が重くて困った……



那智大社!人が居たー、と安心する。 



補陀落(フダラク)寺。来たかったんだ…!
とはいえ乗り継ぎ時間に余裕が無くて駆け足参拝。東方浄土に行けますように!

フダラクは極楽、お釈迦さまがいらっさる西方浄土に対して、観音様があらせられる東方浄土で、その昔、坊さんが死にかけると浄土に向かうことを願い那智の海に流したという……

この話好きなの。


尾鷲、九鬼、熊野を南下して新宮へ。 

列車に乗ったらたちまち睡魔が襲って来て、しばらくうつらうつら夢を見ていた。
やたら暗い夢ばかりだったのは多分、今回の旅のお供・中上健次の『木の国・根の国物語』のせいだ。ねのくに、地下の国、あの世、隠国(こもりく)…アマテラスの国からスサノオの焦がれたイザナミ眠る国。
目覚めたら辺りはとうに真っ暗で、矢のようなスピードで走る列車の窓からは何も見えず 自分かどこに向かっているのか少し、見失った。 


* 


新宮に着いたら小雨、電話帳で調べた宿に片端から断られて弱って居たら、五件目にようやくキャンセル待ちの部屋を案内されて、夜露をしのげることになった。
オフシーズンだから飛び込みでもいけるだろうと思っていたけど、何やら明日、市主催の大会があるそうで、「今日は市内の宿は満杯、あたしも7・80件断ったのよ。ついさっきキャンセルが出てね、あなた運がいいわー宝くじ買いなさい、」と感心されてしまった。 

いやほんと、どうしようかと。最悪、交番に泣き付くという手まで考えてしまった。

そういうわけで明日は明るい紀州を見れるはず…!? 



城址内にある民俗資料館。
昭和三十年代の電化製品展をやっていたので覗いてみた。

 
東芝の冷蔵庫(!)
もちろん初号機。



マッサージ椅子。当時は一回10円で銭湯にあったものを、無料体験させてくれた。
ちゃんと動くし、なかなか気持ちよくてびっくり! 

資料館の方がすごく優しくて感じのよい方で、機織りを教えてくれたり写真も気軽にOKしてくれた。
雑談で、東京からぶらぶらしながら来ました、と言ったらなぜか「えらいねえ!」「えらいえらい」としきりに感心されたのだけど・何歳くらいに思われたのだろう… 


* 


この後、紀勢本線で200分ほど南下。




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