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ゆめ か うつつ か
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柳田國男 『雪国の春』 
一律の暦に均す。季節の春と暦の春の相違と無視。
当時(大正14)は太平洋戦争の前だから 台湾だって樺太だって日本だったんだよね。


ホイジンガ 『中世の秋』 上・下 
←べつに狙って春秋をとりまぜたわけではない。
中世は今よりも感情の動きが激しかったというくだりを読んで、ああなるほどね、アーサー王なんか読んでると泣き死んだりする人間がいるしね・と納得。
いやはや実に、騎士道のアホらしさに今更ながら大笑いしている。自分を崇拝する騎士に「今度のトーナメントには鎧ではなくわたしの下着を身に着けて出場なさい」とかどんだけサドい試練を与えるの。それ貴婦人の言うことなの。。


ゲーテ 『イタリア紀行』 上  
馬車の旅とかしてみたい。今は世界が狭すぎる。
余談だけどゲーテは憧れの地イタリアを旅した後、終生を過ごした自宅の床にラテン語で「SALVE」(ようこそ)の文字を書いたそうだね。旅する土地と住むと地は違うよね。恋愛と結婚みたいなものでさあ。


コクトー 『大股びらき』
思春期少年。
澁澤訳・馴染み深い青い感情をこの上なく繊細な言葉で。


横溝未収録短編 『双生児は囁く』

「汁粉屋の娘」
不仲の姉妹小町の片割れが死ぬ。美女の描写。野球の玉が犯人ってそれねえぜ……

「三年の命」
ガスパールハウザー元ネタ?拾われた美声年は言葉を話せず暗闇で育てられた。周囲に不幸をまくと言われる青年の出生の秘密と破滅的な愛。

「双生児は囁く」
トランプのクインの刺青の女、真珠王の真珠でうめつくされた檻の首飾りを狙う女怪盗と、その女にそっくりな美女。色白の夏彦と色黒の冬彦という双子のタップダンサーが探偵役。推理ではなく冒険ものに近い。キャラクターは魅力的だったな。 
他、
中野美代子『カニバリズム論』(巻頭に澁澤の言有り/メデューズ号の筏、ルーブルで見てきたばかり)
チョーサー『カンタベリ物語』(幽霊騎士の話が面白かったな・デカメロンもあわせて読みたい)
エーコ『文体演習』(「ノニータ」は爆笑必死。)

あとはパリで入手してきたボッスとかアルチンボルドの画集とか見てる。

清張は別記にて。

漫画なら藤子F不二雄の短編、カメラセールスのタイムトラベラー、漂白のヨドバ氏の行く末がきになる。要領悪くて善人の彼のことを考えると涙出そうになる。 貧乏な家にステイして病気になり未来へ帰る機会を逸し金持ちに売り付けようとしたカメラを足の悪い子に十円でやり呪いカメラは捨ててしまいラーメン一個にダマされ、たま~~~にうまいことカメラが売れると読み手がほっとしてしまう。カワイソーに。

あとは福本のぶゆきのメタボ中年社会の底辺層が主人公の『最強伝説黒沢』かな!これ面白怖かった!
終わり方がハッピーでないとMはゆってたがわたしはそうでもないと思う、現実で黒沢を救う手段ははっきり言って無い、奇跡以外は。なら現実の外に脱出するのもアリじゃん?ってこれまたモダニストとポストモダン的な対立だな。


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