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マルグリット・ユルスナール 『東方綺談』 短編集。
「老絵師の行方」 道教逸話らしい。絵の中に入る仙人の話は確かにあたしも読んだことある、これ瓜を増やすとかそういう系だよなきっと…中野美代子さんが言及してたような気がするけど忘れた…列仙伝・神仙伝とかそこらかな?中国説話の飄々と枯れ果てた趣はだいすき。
「マルコの微笑」 「責め苦を受けた男の唇に浮んだ微笑、つまり欲望が最も甘美な拷問であったこと」これは女でないと書けない。えろい。拷問とエロス。
「源氏の君の最後の恋」 源氏物語を素材にしてるんだけど全く別物になってる、なんつうか原作の縹渺とした雰囲気でなくもっと生々しい、花散里はそんなコじゃない!って突っ込みたくなることうけあいけどそれはそれでなんか納得させられるんだよね、こういう解釈もあんのかってかんじで…むしろあたらしい。
「死者の乳」 母とはなにか・こういった生贄の話はどこにでもある…沖縄とか中国の万里の長城の話、それにギリシャ神話のダフネの話を足してわったみたいなかんじ。うまく融合させたなあと思う。ラストも衝撃的でよい。
「ネーレイデスに恋した男」 気の狂った男の物語。幻想から現実への切り替えがあざやか。暗闇からいきなり光溢れる外に出たように視界を失う。
「斬首されたカーリ女神」 聖なる首に汚れた肉体を継ぎ合わされる女神。ヒンドゥの神話より。こういうモチーフは西欧的一神教世界ではないよなァ 向こうの人がエキゾチシズム感じるのもわかる・
M・ユルスナールの物語は余韻があってとてもよい、テーマはともすると平凡になりがちなものを類稀な筆力で再構成してる。多田さんが訳者やってるのもうなずける。