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ゆめ か うつつ か
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姉は水を、私は地図を、弟は兄の死体を曳きながら、砂漠を歩いていた。

そこは真昼の国で、太陽はいつでも真上にあった。ぼろぼろになったぶあつい布をすっぽりと被り日差しを除けながら私達はただ歩いた、地図に示されているのは「始まり」と「終わり」だけで、北も南も東も西も何も無い…

とどのつまりあてどなく私達は歩いていた、お互いに言葉を交わすことも無かったが私達は安らいでいた、沈黙を守ることは自分を守ることであり兄への弔い…兄の死体はひどい暑さにも拘らず・腐りもせずに砂の上を音も無く滑った、ひとすじの跡が砂丘に、とおく、しるされていく。

そしてながいこと歩いた後に唐突に私は気づく、砂は砂でなく氷だったのだと。この事実を皆に告げようと振り返る私の目に、兄の死体がゆっくりと起き上がるのが見えた。

起きてから一番最初に思ったこと。「お兄ちゃん殺してごめん」。

夢の中ではなぜあんなにも穏やかに速やかに全てを受け容れられるのかしら…現実では、なにひとつ、上手に受け容れることなどできないのにね。

 

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16時間ぶっつづけで寝てたら同居人に言われた。三日徹夜で一日中寝てる、とかやってるから…

「そんだけ眠れるのはむしろかっこいい・てか羨ましい」

眠るの大好きなんだけど寝つき悪いし眠り浅いから、ぐっすり寝ようと思うとどうしてもそういう「追い込み」かけないとダメなんだな。

今日の夢。

その見世物小屋はひなびた旅館のような造りになっていて、入り口からまっすぐ進むとすぐに右と左に路が分かれている。どちらも長い、長い廊下になっていて、点在する和室のひとつひとつに拵えがしてあるのだ。

 

右に進めば人間の、

左に進めば物の怪の宿。

 

ふたつの宿はぐるりと廻って連結している、

例えば 右に進んで一つ目の部屋では一人の和服姿の女が百合の花を生けている、

左に進んで一つ目の部屋では同じ顔・同じ格好の女が自分の首を百合の花と挿げ替えていて、

純白の百合は女の血で真っ赤に染まっている。

右の二つ目では無邪気な子供が砂場で遊び、

左の二つ目では全く同じ構図で老人が戯れている。

 

右と左はつながっている、全てを見ないと意味が無いのだ。

さあ、どちらから先にゆこう?

「どっちでも同じだよ」

不意に声をかけられて・ふりかえっても、そこには誰もいないのだった。

くすくすくす… ぱたぱたぱた… 誰もいない廊下を、姿の無い人が走って 消えた。

 

それは小瓶に入った一滴のしずくであり、無限の暗黒であり、とめどない「破壊」を凝縮したものだった。私は誰とも知らぬ者からその処分を任された。あるいは悪魔だったのかもしれない、とにかく厄介な荷物だと思った、誰の目にも触れぬよう誰をも害さないよう、わたしはすこしずつそれを消滅させようと思った。

裏手にある女子修道院は中庭が迷路になっており、その一番奥に焼却炉があるのを私は知っていた、そこで全ての秘密、全ての悪徳が昼夜を問わず燃え盛っているのだった。ところで私の所有物である「破壊」はそのままではとうてい如何ともしがたかった、何しろそれに触れたものは全て破壊されてしまうのだから。考えたあげく、私はそれを反故紙や木々のきれっぱしや石などにふりかけ、そうして破壊されゆく紙や木々を燃やすことにした、それは果てしなく迂遠だったが一番手っ取り早かった。

ひそやかな作業は毎晩続いた、園丁と修道女の、詩人と修道女の、司教と修道女の、修道女と修道女の逢引を横目に、私は毎晩焼却炉に通ったがそれだけではとうてい追いつかなかった、私は誰にも咎められないのをいいことに調理場に入り込み、いくつものオーブン、いくつものかまどを開いては燃やし、火種をかきたて、たきつけた。

灰が雪のように降り積もったが私はそれに触れる気は起こらなかった、破壊の残滓などに触ったら、どうなることか分かったものではない。それでも小瓶の中身は減らない。私は絶望した。もうこれ以上どうすればいいのかわからなかった。私の懊悩はうすうす家族に、最愛の家族に!気づかれかけていたが、このことを打ち明けるわけにはいかなかった、「破壊」に押しつぶされるのは私だけでたくさんだ。

私は最後の手段に出ることにした。それはずいぶん前に思いついてはいたものの、実行する勇気が無いために今まで見て見ぬ振りをしてきていた案だった。

炎の爆ぜる音さえ闇に吸い込まれてしまうような新月の夜だった。迷路の奥で、私は小瓶を取り出し、その中身をひといきに呷ると、炎の中に飛び込んだ。

エンデの「山の上の売春宮殿では、今夜・・・」に似ている。が、まだこちらのほうが救いがある気がする。

夢見絶好調なのだがしかし!生きながら焼かれるのは、もう、いやだ。

 

木立の中の遊歩道を父と歩いていた。

父は見たことも無い人だったが私にはそれが父だと分かった。時折道端に小さくしおれている白い猫草にちょっかいを出しては噛み付かれながら二人、秋の気配を楽しんでいると、唐突に池のほとりに出る。ゼリー質のあかるい緑色の水はみるみる溢れ私の膝をぬらし、私はこの透き通る日差しと水の情景をカメラに納めようとしたけれど何度やってもうまくいかなかった。やがて不意に足場が消えて私は池に落ちる、父が笑った。私は全身がゼリーの中にやわらかく没していくのを感じながら木々を見上げた、木々の向こうには車が何台も走っていたが誰も私が溺れていることには気づかなかった、

小学校の登下校チャイムが鳴り私は目覚めた。

あと 山の上の美術学校の夢と、前住んでいた家の夢と、一度も開けたことの無いカバンの中の録音機が壊れる夢と、古代ローマ風+戦国時代風の夢をみた。三本立てなんてもんじゃない。

元貴族の六人兄弟姉妹がいて、お家が没落して四番目の女の子(ユリアとしておく)がサーカスにひきとられてくの。きょうだいはひとりひとりお守りを貰ってるんだけど、鋭い刀とか意匠を凝らした兜とか美しい音色のオルゴールとか、でもユリアが貰ったのはなぜか 花いちりん、で、そんなすぐ散ってしまうものをなぜ…と思った、「形は消えても心は残る」と母は言い、ともかくサーカスの一団は出発する。

そしてユリアの姉(ロクサーヌとしておく)も兜を身につけ出て行くのだった、ただし武器は持たない、彼女のもつのは巨きな銀の盾だけだ…

書いていく傍から忘却していく、まいったねこりゃ。

 

 

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