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ゆめ か うつつ か
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遅れてた税関系の処理やら正月以来溜め込んだ古本整理やら、若かりしころの母のスカートのお直しやら・いろいろと有意義なことのひとつやふたつはこなせた休暇だった、古本を売ったお金の半分くらいは再び古書に化け、あとの半分は寄付することにする。

百物語や人国記、作家でいうなら小泉八雲・獅子文六あと塚本邦雄はまだまだハマってる。下男に犯された父親が母親の脳髄を食らう話はm好みだろうと紹介してやったら案の定、にやにやしながら読んでいた。そんなmを見るたびにわたしは「完膚なきまでに粧(けわ)う」という短歌を思い出すのだけれど、歌いだしがどうしても思い出せないでいる。イースターの歌だった。

書くほうも快調なのだが、しかし、まあ、日本の現状が既に一篇の物語といえなくもないというか。











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某県某所で見つけた看板がステキだったので、この写メに「チョコとめかぶと明太子を中心とした創作メニューが中心の喫茶店を開きました☆」という嘘メールを各所に送ったところ、いろいろ秀逸な返信が返ってきて、さすがはわたしの友よと快哉を叫びたい思いにかられる。とりあえず「おかずワッフル」(by G)は素直に美味そう、「明太子カプチーノ」(by Rちゃん)はさすがにまずそうだ!!!



月があまりにも大きく明るく、見事すぎて不吉なほどだと思っていたら、どうやら十数年ぶりの月・地球最接近で、スーパームーンと呼ぶ現象らしい。何か強そう。

節電で街が全体的に暗いので、更にくっきりあかあかと輝いて見える。今にも落ちてきそうな気すら。

3月初旬には固く閉じていた蕾がほころび、可憐な花を点じていた。あの痩せ枝がよくも、と感慨にふける。

春は必ず来るものだ。


ガソリンスタンド前に、数百メートルの行列。さしずめ給油渋滞とでもいおうか。なるほど食糧の次は燃料か、と納得する。目下買い漁りを非難する向きが強いがしかしまあそれが人情だろう、むしろいたって健全、非常時に君子でいられる方がおかしい。そもそもこういう図々しい輩はなまなかな物資不足ではくたばるまい。
日本人の暮らしも分業化が進んで複雑になり、昔に比べて生活必需品もとみに増えた。物持ち=贅沢がありふれた結果、いざ供給が乏しくなると「奪われた感」が強くなる。太平洋戦争で家財を全て喪い命ひとつで帰った祖母は、今度の震災にも泰然としていた。持っているものなどいつでも消えうる、まして自分など。





かつて北京で全身焼けただれた子どもにすがられたとき、そしてシルクロードで「日本に連れて行ってくれ、何でもする」と思い詰めた瞳で言われたとき、わたしは何もできず逃げだした。

そこにある悲惨を見ても反語的釈明、「わたしに何ができる?」(いや、何もできない)。或いは最も厄介な哀れみというやつ。それは自慰だ、「自分でなくてよかった」。

今、東北の災害を見て同じような無力感に襲われている。世界は相変わらず違うコードに区切られ関わることまして救うことなどできない。世界のこちらがわでわたしは何事もなかったかのように日々働き過ごす、自分が狂っているような気がする、あの北京からずっと。

ゆえにわたしは、いつか誰かに見捨てられ「気の毒に」と哀れみを受け打ち捨てられ死んでもわたしは何も誰も怨まず怒らずにいたい、自分の世界をゆるしたい、そう思う。


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