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ゆめ か うつつ か
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さっきから、どさりどさりと間断なく何かが落ちている。それからさくさく、スナックを食べるよりまだ軽やかな音が続いて、またどさり。夢うつつのなか、ああ雪が落ちているなとわたしは思う。

立春過ぎての大雪は冬の置き土産か春の手土産か、いずれにしても真昼の光でいとも簡単に融けてしまう淡雪。明け方帰宅したときには硝子のようにはりつめていた薄氷も、いまは泥水と化しただろう。名残の雪は見苦しい。履き物をどうしよう。春泥とはよく言ったもので、この季節は雨季に次いで履き物に気が揉める。めぼしい往来が総アスファルトとなっている現代でもそうなのだから、昔の道はもっと大変だったはずだ。まして着物に下駄草履では。爪皮などという日本語も今は化石、わたしも実際使ったこともない……

とめどなく続く連想を、雪割の音が断ち切る。

起きて、支度をして、仕事に行かなければ。




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今年のバレンタインは「女子」メインだそうで、ああようやく業界もなりふりかまわなくなったか、というか・バレンタインの本質を堂々表明し、おもてむきをとりつくろわなくなったのは大変な進化といえる。この調子でホワイトデイやクリスマスも本音をぶちかましてほしいがしかしそれはないだろう、そのへんのイベントは標的(ターゲット)は女子とはいえ出資者(パトロン)は男子なのであるからして。

ようするに、世界は女のためにある。アリストファネスがそういうとこ、2400年くらい前に謳ってるが。


 二匹の蜂が仲むつまじくよりそう、チョコレイトは蜜よりもあまい。





もしや、エスカレーターは蜘蛛の糸??


そういえば先日久々に母校(大学)へ行ってきたのだけど、生協はぶっつぶされてなにか新しいステキな建物を建設中だし新築校舎はピカピカでトイレなんて自動消灯&音姫がついていたりして隔世の感というか、さすがあの耐震構造問題のときまっさきに改築が決定しただけあるというか、もうあのひびわれた壁に幽霊の出そうな薄暗い校舎ではないのだなあとちょっと感慨にふけった。

で 先生とも語らってきたのだけど。わたしもニートのころ一時期お誘いがあって心を動かしかけた某学内業務の実情を聞いて、なんというか、ちょっと涙目になった。就職って……縁だなあ……。今現在の自分の仕事とまあ似たような業務なんだけど、お給料が…・・・一月五万……。で やっぱり就職しはぐれた後輩が今現在つとめていると聞いて、なんか泣きそうになっちゃったよ。もちろん拘束日数その他条件がこちらのほうがハードであるのは確かだけど、現代日本の東京で一月五万て、副業しないとぜったい無理でしょ! 

……たまに、今自分が働いてるところの条件がよすぎて空恐ろしくなる。まあいちばんいいのは人間関係だけど、そしてそれだけでもここで働く価値があったと思っているけれど。

世の中には忙しいほうが得意というひともいるけれどわたしはできればのびのび働けるところのほうが合っている、南の島で猿を使って日がな一日椰子の実採りとか、向いてるんじゃないかな。猿を使って採ってこさせるの。ほんとに居るんだよそういう、猿使い。あとはインドネシアのコピ・ルアク採集。コピ・ルアクっていうのは麝香猫が食べたコーヒー豆の糞をよりわけた、世界でもっとも高価なコーヒーのひとつ。どちらもまったく自分の力を要していないところが人生なめてますね。

いや、ほら、わたしの人生の夢は、「隠居」もしくは「隠遁」生活だから。
総武線沿線で、電車を待っている力士を見かけた。

総武線は両国や錦糸町のあたりを通るから、いきおいそのあたりに部屋を持つ力士たちが利用するのはよくわかる。しかし総じて総武線のホームは狭いので、それでなくとも昨今一連の相撲界における不祥事に身の置き所もなさそうな巨体をもてあまし気味に、柱の影にちょこなんとおさまっているのは、そぞろ不憫をもよおした。

そうしてわたしは、以前はちみつの練り香水をつけたとき、Tさんに「力士の髷の臭いがする」といわれたのを思い出した。確かに美々しく結い上げられた髷からはなんともスイートな香りが漂っており、「スイーツな香りのデブ」のきもちわるさが何となく理解できた。

(相撲好きなひと、また相撲取りのひと、ごめんなさい。この場合の「デブ」はきわめて客観的な事象を捉えた表現すなわち「太っているように見えるひと」くらいの意味です。その見事な脂肪の下に鍛え抜かれた筋肉があるのは知っています)

鬢付け油=櫨・椿=芳香。



ちなみに総武線は秋葉原も通っているので、真夏には異臭を放つオタクさんも散見する。一億総オタクとまではいかないが、宮崎勉事件のころよりはだいぶスマートなイメージになり市民権を得てきた日本のオタクにもいまだそういったオーソドックス&ストイックなオタクも居るのだ、と思っておくことにしている。








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