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ゆめ か うつつ か
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 装丁と栞の明るいコントラストも春めいて美しい。





吉屋信子の小説を立て続けに読んでいたら、無性に塚本邦雄が読みたくなった。わたしはどうも、悪意のある文章のほうが読んでてすんなりくるみたいだ。それでいて、たまに吉屋信子みたいにお綺麗な物語を欲する。

しかしまあ、吉屋信子はいくらなんでも話が綺麗すぎる。妻と夫とその愛人が居た場合、妻と愛人で結託して夫を欺くなんて・現実じゃなかなか考えられないぜ。

確かに「同じ男を愛した」、これ以上固い絆は無いのかもしれない。しかしその連帯は、義父と息子が手に手を取って駆け落ちする(by塚本『八朔』)くらい非現実的で、だからこそ甘美なのかもしれない。

要するに表と裏というわけか。





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本家本元の作品を読んだことは一度もなく、既存のマスコット・イメージしか無かったので、キャラを見誤っていたのは確かだがしかしこのタイトルはひどい。はれんち。


先日箱根のユネッサンに行った際、「お風呂で読める文庫」なるものが売られていた。紙ではなく塩化ビニルに文字が印刷されており、水の中に入れても大丈夫な本だという。しかも売れ残りの処分セール品なのか、定価が千円のところ百円の大特価。もとより風呂に本を持ち込む癖があるわたしには格好な土産で、mに呆れられながらも五冊ほど買い求めてきた。

 これがまた、売れ残るのもわかるなあというようなちょっと玄人好みのラインナップで、岡本綺堂やら夢野久作、黒岩涙香の昔懐かしい探偵小説が揃ってるのにびっくり。というかこんなマニアックな作品入れるか普通? 編者何を考えてるんだ、わたしと友達になろう!

と いうわけで最近の風呂の友はもっぱらこれらの耐水性本なんだけど、何冊か読むうちに、この本の意外な欠点を発見した。それは、風呂で途中まで読み、さて風呂上りに続きを読もうとするとびしょびしょなので丹念に拭わなければならないという点だ。途中で止めておいて続きは後日にすればいいのかもしれないが、だってだって面白いんだもん!







電子書籍も防水仕様になったなら購入検討しなくもない。



こないだ行った大型古書店でドゥルーズやアルトー、ニーチェなんかが200円とかで投げ売られていて、それらの本をすでに所有しているにもかかわらず全部買い占めたい衝動に駆られた。どうでもいい啓蒙書やハウツー本の間でじっと主人を待ち続けていくにはあまりにもカワイソウな、本という名の思想。知っている人が見たら、藁の中の宝石みたいに見えたろう、あまりにもそれはきらきらと輝いていた。

同時にちょっと「せどり屋」(古書転売で利を得るひと)の気持ちがわかった。あれら、全部三~四倍くらいの値段で売れるわ。。いよいよ金に困ったらせどりやろうかなあ、明治以前は無理だけど、簡単な思想・研究書系、歴史、純文、ミステリーならなんとか……。

とりあえず『コレラの時代の愛』のほぼ新品を半額で入手できてご満悦。



そんで今日、Rちゃんの本が出てるのを知り、即・近くの本屋に行き二冊ともゲット。なんか自分のことのようにすげー嬉しかった。

刊行おめでとう!!! 


 

美味しい本が好きだ。
と、いうのは、料理・お菓子に関する本ということだけど。
それも、いわゆるレシピ本ではなくて、食文化の研究書、もしくは随筆家のエッセイなどが望ましい。知識欲と食欲が同時に満たせ(るような気がして)とてもいいんだな。

どうもわたしは昔から食べ物の描写に弱い。食べ物って、実際の美味しさではなくて、イメージ……思い出でも思い入れでも、そういう情緒的な部分が大きいよね。
幼稚園のころは『傘地蔵』の絵本にあった、「顔がうつるほど薄いおかゆ」に憧れた。母に「おかゆがたべたい」と頼んで作ってもらったら、ふっくらしたお米がぎっしり入ったおかゆだったので、がっかりして「もっとお米がないやつ」とわざわざ作り直してもらった重湯を満足してすすった覚えがある。母は、「変な子」と首を傾げていたが。
高校のころは、魯迅の『駱駝祥子』。主人公の車夫が、金がないので屋台で豆腐を一丁ゆでてもらって、それに醤油ときざんだ葱をかけた湯豆腐を食べるシーンがなんとも美味しそうでうらやましくて、自分で豆腐をゆでて醤油とレモンをかけて食べていた。たいしてうまくもなかったが、胃とともに精神が満たされるような気がしたな。



 

『たべもの古代史』 永山久夫 
日本史における食事の研究本。納豆の由来とかね、薀蓄系なのに軽い味わい。

『山のごちそう』 渡辺隆次 
著者が画家で、挿絵も文章も美しくて凝っている。季節の山菜や果物について。このひとの、『きのこの絵本』もおすすめ。

『酒の肴・抱樽酒話』 青木正児 
なんといっても冒頭の「適口」に尽きる。ようは「食べ物を美味しいと感じるタイミング」の話だが、高校のころに初めて読んで、いまだこの話に勝る食のエッセイを読んでいない。『華国風味』の、「陶然亭~」も名文だけど、こっちのほうが個人的に好み。

『象牙の箸』 丘永漢 
中華料理についてのエッセイ集。クレソンの話が好き。

『食卓歓談集』 プルタスコス 
1世紀ころの宴会の話題を集めたもの。「秋になると空腹になるのはなぜか」とか、今も変わんないじゃん! 古代ローマに親しみがわく。当時の世界観、四大元素をもとに話が展開されていくのが面白い。

『食卓の文化史』 石毛直道 
料理のなりたち、煮る焼く蒸す、料理道具などから解説する食文化論。栄養学的には油のほうがカロリーが高いので、肉食の人間のほうが穀物食の人間よりも食事が効率的なんだって! だから穀物で栄養を摂るひとはより多くを食べねばならず、胃腸に負担をかけるので、日本人は胃腸が弱い、と。目からうろこ。

『香辛料の民族学』 吉田よし子
ひとくちに香辛料といっても、匂いつけ、色つけ、味付け、さまざまに大活躍。日本ではあまりなじみのないものもあり、興味深い。ナズナはマスタードの仲間だとか、「カレーの木」の話とか。


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