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ゆめ か うつつ か
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聖アントニウスの誘惑の画につられて、ブリューゲルの版画集を買った。いいかんじにきもちわるい。

『氷川瓏集~睡蓮夫人~』 日下三蔵編 
編者が推すとおり、2ページほどの「乳母車」がいちばん気に入ったかな。月下に婦人が乳母車を押す、そのなかには人形が。こういうのこわいよね。探偵趣味というよりは、怪奇趣味。

『異端教祖株式会社』 G・アポリネール 童話みたい、詩的断片。

『青空』 バタイユ このひとの作品はよく土に欲情している。

『青い鷺』 小栗虫太郎 
ブルー・ヘロン。ヒロインとヒーローの図式が転倒する冒頭と終結部分、衒学的な文章が見もの。「二十世紀仮面」の法水麟太郎は、モテモテすぎて怖い。ライバルのオッサンにまで告白されるって、どうなの。。

漫画はやっぱりmのを借りてばっか。ゆるい広島弁がよい、と薦められた『とろける鉄工所』はよかったよ。あと、最近おおひなたごうのシュールなギャグが素直に面白いと思えるようになってきてしまい、こう……自分の感性の成長?に複雑な思いを抱いた。最初読んだときよくわからなかったんだよこの笑い。。

 

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サリンジャーが亡くなった!!
びっくりした!!!



『薔薇密室』 皆川博子

名前が気に入ったから借りたんだけど、それにしてもわたしはわりとこの人の作品を読んでいるので、そろそろ別に項目立てたほうがいいのかなあと思い出した。でも項目作ると作品全部網羅したくなっちゃうんだよね。そこまでではない。
〔物語〕
①第一次大戦中、元僧院にて脱走兵コンラートと、博士の薔薇と人間の融合実験物語(男娼ヨリンゲルと、落馬してオーディンと名づけられた美貌の少尉)、梅毒の実験記録書『ヴィーナスの病~』という手記
②第二次大戦中のポーランド、少女ミルカと年を取らない少年ユーリクの物語。ナチス支配が深まるなか、二人は別れ別れになりミルカはドイツ人撮影技師ナタニエルのもとへ、ユーリクは薔薇の僧院へ。

別々の場所で、ヴィーナス~の本が、異なる人物を繋げる推理もの。ガス発生装置のトリックは申し訳程度だが人物相関の謎がソソる。ナタニエルがキーパーソンのくせに、何を考えてるか全然わかんなくてちょっと魅力不足かな。ラストのほうはけっこう筋がよめてしまうけれども、視覚的に読むといいんじゃないかな、耽美的で。



『分別と多感』 ジェイン・オースティン

岩波文庫のものをば。相当以前、知人に『高慢と偏見』をオススメされたが手に取ったことは無かったのを思い出してとりあえずその横にあった同じ作者の別の作品を(あまんじゃく)。
〔あらすじ〕分別の勝った姉エリナーと情熱的な妹マリアンのそれぞれの恋。姉は控えめなエドワードと、妹は自分に想いを寄せ穏やかで誠実な大佐を嫌い、美貌のウィロビーに恋するが……?
〔感想〕最後まで恋模様がどうなるのかわからないんだけど、全てがお約束的な大団円というわけでもなく……ひとことでいって、とても、リアル。人間観察が鋭くて、とくに、嫌な人間のタイプがやけに詳しい。いるいるこういうやな人間!と思う。あと、どっちかとゆうと多感に針がふれている私としては、エリナーの鉄の分別にただただスゲー!ってかんじ。なんつうか、道徳書読んでるみたいな気分になった。こころただしくおこないきよく、でしゃばらず、なにごとも控えめな人間が最後に笑うのよ、みたいな。紙のごとく軽薄であれとはゆわないが、なんかもっと・・・・・・ちょうどよい人物はおらんのか!ってかんじ。笑。



『誘拐』 G・マルケス

1990年頃のコロンビアで起きた連続ジャーナリスト誘拐事件のルポ。
半ばすぎまで読んで、そもそも何を狙った誘拐なのか、当時のコロンビアの国政や主要人物がようやく頭に入った。自然、ページにかける集中力も相当必要で、読むのに体力が無いと辛いなあと思った。

パブロ・エスコバル(コロンビアの麻薬組織のボス)
VS
ガビリアコロンビア大統領

となるはずの図式が、大統領がエスコバルの減刑要求をのまず、攻撃的な捜査をしたために、コロンビアの国民感情に影響の高いジャーナリストを次々誘拐した、その人質の家族が、エスコバルの要求と大統領の間をとりもち、人質が解放されるまでの話。

主眼となってレポートされたのは政治家ビヤミサルの妻、マルーハ・パチョンと、ビヤミサルの妹ベアトリスの誘拐(このふたりは生きたまま解放される)で、他重要人物は前大統領の娘でテレビプロデューサーのディアナとそのグループ、新聞記者のパチョなど。どうでもいいけどこのあたり、身内びいきの特権階級が築き上げられているのはいかにも南米らしい と訳者もゆっていたが、やっぱ少しきになった。

いちはやく犠牲となって殺されたマリーナの狂気のさまや気高い死に顔、解放時に味方によって射殺されたディアナを悼む母親のくだりは、涙無しには読めない。そして人質の家族がはかりしれない忍耐と努力で大統領に説得をこころみる間に、エスコバルとの奇妙な信頼関係が生まれていくあたりは興味深かった。エスコバルが人質の解放にひきかえ、自分の身柄を引き渡すシーンで、ビヤミサルと話すシーンは圧巻。それだけに、その後エスコバルのたどった運命(脱走、無駄に終わった助命嘆願、射殺)が哀しかった。

犯人への交渉には、自分と犯人の間に、双方の信頼を得ている第三者を立てるとよいこと。

マルーハとベアトリスの監禁は規則ずくめで辛そうだったな。小声でしゃべることを強制されていたために、その癖が解放後もなかなか抜けなかったらしい。いっそコミカルに思えたのは、監禁している見張りの人々の描写だった。クリスマスのケーキを用意したり、プレゼントを持ってきたり。彼女たちの世話をしていた夫婦の妻ダマリスときたら、覆面にミニスカートという出で立ちでいつも食事を運んでくるのだから。

タイトルは、ビヤミサルとマルーハの夫婦関係についての至言。





メモとっといたのはそんくらいかな、あとブルトンの黒いユーモア選集とかマンディアルグの短編集(「ダイアモンド」目当てに買ったんだけど「石の女」ってのが面白くてよかったよファムファタール)とか遠藤周作を何点か読んだ、エッセーとか含めて。やっぱ海と毒薬がすき。深い河はそうでもない。漫画はすぎうらひなこさんとかつげ義春集めたりとかmに薦められて読んだ『かぶく者』が存外面白くて歌舞伎に目覚めそうだとかそんくれえ。恋四郎さまがキャラクターとしてよすぎる。『軍鶏』かいた人だったんだね、びっくりした!

 

『白痴』/ドストエフスキー 

去年の夏休みくらいに。新訳のほうで読んだ。
長ったらしくて重い文学を夏に読むのが私の中ではわりと定番。

*ストーリー覚書

列車での出会い。
商家の息子、本能の申し子ロゴージンと、善良な公爵レフ・ニコライヴェチ・ムイシュキンの運命の出会い、最初から最後までピエロの役目をつとめる小役人レーベジェフを傍らに。

・精神の病を癒すため、スイス療養から四年ぶりに戻った公爵は、ロゴージンの恋の話を聞く。ロゴージンはナスターシャという哀れにも残酷な女性に報われない恋をしているのである。ロゴージンは子供のように無邪気で作意の無い公爵のことを気に入って自分のところへ招待する。

・公爵は自分の血筋の親類に当たるエパンチン将軍夫人を訪ね、将軍自身と話し、得意な書の腕を披露もする。青ざめた青年、ガヴリーラ登場。次に、公爵は挨拶がてらに将軍夫人と三人の美貌の娘、アレクサンドラ、アデライーダ、アグラーヤと会話する。
〔可哀想な村娘マリヤの死、死刑をとりやめられた男の話(ドストエフスキー自身の体験)〕

(公爵は財産家の伯母の遺産を継ぐことになっていると、ここで判明)

ガヴリーラ(ガーニャ)は将軍の末娘を好いているのに、ほとんど金のために、ナスターシャとめあわせられようとしている。というのは、ナスターシャはもと立派な家柄の娘だったが、両親が亡くなり孤児になったところをトーツキイという財産家に拾われ、ひそかに愛人にされていたのだった。
しかし、美しいだけでなく聡明で情熱家のナスターシャは、トーツキイが自分を捨てて立派な婦人と結婚しようとしたところに待ったをかけ、自分への償いを要求した。
トーツキイはナスターシャへの償いに、持参金と結婚相手を見つけてやることにし、その相手として貧乏な青年ガーニャが選ばれたのだった。

公爵はひとまずガーニャの家に下宿することになる。
ガーニャの父親は虚言癖のある老人で、それに母と妹、弟、下宿人たちがいる。
そこにからかいのためにナスターシャがガーニャを訪問する。奔放にふるまうナスターシャに、伯爵は思わず「あなたはそんな人ではない」と声をかける。

公爵はナスターシャにかつてマリヤの面影を観、思わず彼女に結婚を申し込む。ナスターシャは思いがけない求愛にひどい興奮状態に陥る。彼女は、ガーニャを試そうと持参金を火中に投じ拾わせようとする。ガーニャはプライドと欲に責められ卒倒してしまう。ナスターシャは公爵のためを思い、「自分と結婚しないほうがよい」とナスターシャを盲愛するロゴージンと一緒に逃げる。

(公爵はナスターシャの後を追い、一緒に暮らすが、ナスターシャは必ず逃げてしまい、ロゴージンと公爵の間をふらふらしている)

・時が経ち、公爵はエパンチン家に出入りするようになっている。末娘のアグラーヤと一時は婚約の話も出るほどであったが、結局はそのアグラーヤ自身が巧妙にナスターシャを追い詰め、最後に公爵をしてナスターシャを選ばせる。破滅的な結婚式の前日、ロゴージンは花嫁をさらい、刺し殺す。

公爵とロゴージンは二人でナスターシャの死骸をはさみ、通夜をする。
一夜あけ、公爵は完全にまた白痴になってしまっていた…



いろんなタイプの人間が居て、大変リアルで面白い人間模様。カラマーゾフより好きかもしんない。

とりあえず公爵。みんなに好かれる!自分を騙そうとしてやってきた連中までもが公爵に友情を誓う始末だし、あのロゴージンだって、ナスターシャをめぐり公爵を殺そうとしたものの、公爵を愛している(公爵が、偽だと知っても騙されてやって買った偽の銀の十字架を、ロゴージンが自分のものと取り替えて、大切にしているシーンとか泣ける)。

ナスターシャがかわいそうでねえ!
慰み者になっている当時、いつも高貴な人から「あなたは悪くない、わたしはこころからあなたを愛している」といわれることをゆめみていたのに、いざ公爵を不幸にしたくなくて、でも愛していて、たえずついたりはなれたりしているところはもう完全に昼ドラ。

アグラーヤも聡明でかわいいんだけど、感じやすいくせに高慢なところがね。カラマーゾフでいうエカテリーナだな。

ナスターシャの顔を恐れる公爵。「あの人の顔をみると、心臓を突き刺されたように感じる」。愛ではなく憐憫の情といったり愛しているといったり。のちに、すべてが起こってしまったのちのエヴゲーニイ・パーヴロヴィチの言葉がもっとも要を得た言葉だと筆者は言ったが、たしかにそうだと思った。公爵はひとりの女のためにもうひとりの傷ひとつ無い女に傷をつけた。「ふたりながらに愛する」とはどういうことか?おそらく公爵しかできまい。

彼女がガーニャに、炎の中の十万ルーブルを拾わせようとするくだりの、プチーツィンのことば。
「話によると、日本人のあいだによくこれと似たようなことがあるといいますね・・・日本じゃ恥辱を受けたものが恥辱を与えたもののところへ行って『きさまは俺に恥をかかした、だからおれは貴様の目の前で腹を切ってみせる』というそうじゃありませんか。そして、ほんとに相手の目の前で腹を切って、それで実際にあだ討ちが出来たような気分になって、すっかり満足するらしいんですがね。世の中には奇妙な性質もあるもんですねえ」

つまりは・・・自虐的ということか。
 

ラストシーンが美しい。ナスターシャの遺骸を真ん中にねむる、ふたりの男。


公爵の言葉でもっとも共感したもの。
→「私はいつも自分のこっけいな態度で、自分の思想や肝心な観念を、傷つけないかと恐れているのです。私にはみせかけの行為というものがありません。私のそれはいつも正反対になるものですから、みんなの笑いを誘って、その観念を傷つけてしまうのです。また感情に節度というものがありません・・・」


ドストエフスキーのいわゆる「無条件に美しい人」の創造が、公爵のようになる世界なら。
今はもっと加速しているだろうか。
 

柴田宵曲の『妖異博物館』ですげーウケる話があったので記す。

「某家に衆妖競い作る」、というのはつまりある家で一斉に怪異が起こったわけ。

メンドリがコケコッコー!と鳴くわ、犬は頭を抱えて歩くわ、ネズミは昼間から騒ぐわ、道具類はひとりでにずずずと動く(ポルターガイスト!)わ、そりゃもう大変なことに。
困り果てたその家では、巫女にお祓いを頼んだ。炉端に寝ている猫を指して、「うちの中で怪をなさないのは、そこに居る猫だけなんです」と言うと、猫はおもむろに人のように立ちあがり手をこまぬく、とあるのでまあ、手をちょちょいと振ったんだろう。

猫「不敢(敢エテ不ズ=できるけどやんない)」




……いい話だなあと思うわけです。こぞってやんやと怪異合戦してるなか、「できるけどやらない」ってひとりだけ冷めてるのが、いかにも猫らしい。


下ろしたばかりの生活費が瞬く間に無くなったが、後悔は全くしていない。いつか神保町で値段見ずに古本買いたい。

木々高太郎の復刻欲しかったな……






以下 欲しい本リスト

エーコの『カントとカモノハシ』
ルルフォの『燃える平原』
フーコーの『狂気の歴史』
ドゥルーズの『千のプラトー』
エリアーデの『宗教学辞典』
フロイスの『日本史』
イェイツの『薔薇物語』

プラトンの著作全部
バルトの著作全部
G・マルケスの著作全部
ラヴクラフトの著作全部
E・サイードの著作全部
レヴィストロースの著作もろもろ
エドワード・ファン・フーリックのミステリー
中野美代子の著作全部
中国古典文学大系
日本探偵小説全集
日本古典文学大系

柳田國男全集
折口信夫全集
南方熊楠全集
岡本綺堂全集
日影丈吉全集
小栗虫太郎全集
中井英夫全集
丸山真男全集
竹内好全集


・・・・・・・・・・・・・・・・・

ん 200万あれば足りるかな???






 

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