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ゆめ か うつつ か
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mは「ベッドでは寝れない人」で、旅行の際は和室を選ぶよう気を遣ったりするのだが、和室だと「とても高級な宿」か「とても低級な宿」かの両極端の場合が多く、ちょうどいいものを探すのに苦労する。

それでちょっと考えたのは、日本人は、寝床が固いのはそんなに苦にならない人が多いようで、逆に、掛け布団にはそれなり凝る人が多いように思える、ってことだ。

これは西欧とは逆で、以前も例に出したアンデルセンの「本物のお姫様」という童話の挿絵では、何十枚と重ねた羽根布団の上お姫様がちょこんと乗っていた。日本では、羽根布団といえば当然上掛けの布団だが、西欧では敷布団をも指し、かの地では掛け布団よりも敷布団がふかふかであるべき、という価値観につながると思われる(ソファとか、ふかふかのものに囲まれたいっていう発想は西欧的だよね)。

思うに日本人は、敷き布団にはこだわらない、というより「なくても平気」な人がわりと居るのではないかな。平安時代の寝具は自分の着物もしくは「衾」といって、主に上にかけるものしかなかったようだし、日本の枕が固くて高いのは、床と地続きになるのを避けるための発想のような気がする(西欧では寝る場所そのものを高くして、ベッドという空間にしているしね)。

まあ、西欧は日本より寒冷地で、上下から暖めないととても眠れないってのもあったろうけど。

西欧の枕がわりと平たいのは、寝る場所そのものを高くして区切るという、「日常空間」と「寝床」との差別化がはかられているからではないかとも思った。


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わたし「いいなあ蛇は、肩が凝らなそうで」

m「肩、無いしね!」

そういやそうだ!

いや、枝の上で全身預けてとぐろを巻いているのを見たら、何かラクそうで。。


 だらーーーーーん と 体を預けきりたい。
少し前まで、奴は街中を車で走り回るバイトをしていたのだが。知らない道を慣れない車で走らねばならないそういった職種は、当然、事故に遭う確率も多くなるらしい。

「いや、俺も1、2回はぶつけてるよ、自損だけど。それが社用車ならいいけどさあ、仕事に使う車は、毎日レンタカーを借りてるんだよ。

スゲーのは、レンタカーを返すときに『そこに停車してください、あとはやりますから』って言われて、ほんとに停めただけでサイドブレーキもかけずに放置した奴が居て。慣性で車が動いて、前にあったベンツに衝突!

それまでにもうちに貸してぶつける奴が多かったから、とうとうレンタカー会社に『運転が下手な人にはもう貸しません』て言われてさ。

まあ、とりあえず、手を使わずに車を動かしたそいつのあだ名は『ジェダイマスター』になったよね」


……笑いすぎて腹が痛くなった!

しかし実際路上に出てみると、『お前免許どうやって取った!?』と問い詰めたくなる輩が多いのは確かだ。


●古代中国では、高貴な人が死ぬと、その口に蝉のかたちに刻んだ玉をふくませたという。蝉は人の魂を象徴していた。羽化登仙という言葉があるが、存外仙人に生える羽とは鳥のそれではなく、蝉のように薄く透き通ったものかもしれない

●欧州では蝉は日本ほどポピュラーでなく、真夏に日本を訪れたドイツ人音楽家が、蝉が鈴なりに大合唱を奏でている木を見て「あの音が鳴る木を持って帰りたい」と言った話を本で読んだ。なんか可愛い

●昆虫食のなかでも蝉はわりとよく食されている。栄養価も高く、幼虫なら佃煮、成虫ならまる焼などにするらしい。昆虫食というと野蛮・未開・貧困などのイメージがあるが、実はアジアやアフリカのみならず、アメリカのある州でも、蝉が大量発生する年には、からっと素揚げにして食ってしまうらしい。ま、確かに、生で食うのでなければ、ハンバーガーより蝉揚げのほうが健康的な気がする

●蝉はカメムシの仲間(!)


夏の三大イベントといえば、お盆・音楽フェス・オタクの祭典コミケ。なぜ同時期に集中しているのか、考えるまでもなく、先ずお盆ありきなのだと覚る。

大人になると、カレンダーの公休以外に休めるのは盆暮れ正月、冠婚葬祭くらいがいいところ。お盆休みというのはカレンダーにはないけれど、農繁期が一段落した時期の祭そして祀りとして、いまだ根強い慣習なのだろう。

その昔、民俗学の講義で、正月/お盆は死者のたましい=先祖の霊が神となり山と田を行き来する、その節目を労い慰める儀式だと習った覚えがある。慰める魂のあらばこそ、故郷という言葉すら実感の薄いわたしには、盆とて何ら変わらぬケであり日常。勿論フェスやコミケもわたしには縁が薄く、だからこそ考えた。

お盆、フェス、コミケ。この三つに共通しているのは、いずれも「精神的な慰め」の部分ではないかな。みな現実には存在しないもの、目に見えぬもの、心を癒す儀式を求めている。

8月はそういう季節、そういう、渇き飢えた魂の集う季節なのか。
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